ロケットガール 6 [DVD]
いよいよ最大のミッションは、思わぬ事に。
はらはらどきどきひたすら燃える展開の中にも、
宇宙開発の本質を博士のセリフでさりげなく表現するなど、
なかなか感心させられます。
今回だけではないですが、WOWOW放送時のものと比べると
かなりの部分で絵の修正が入っているようで、完成度は上がっています。
オマケとしてむっちり先生のかわいいポストカード付き。
また3分ほどのパイロット版も収録されていますが、
これがかなり違う絵なので興味深いと思います。
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)
タイトルからわかるように、これはニコニコ動画の話。
表紙からわかるように、これは初音ミクの話。
けれど、これは紛れもなくハードSF作家野尻抱介の代表作。
初音ミクやニコニコ動画が好きな人は、是非タイトルと表紙に騙されて頂きたい。個々人が主体となって何かを作り上げる「CGM」、つまり初音ミクやニコ動の持つ可能性が描かれているから。
ハードSFが好きな人は、ニコ動や初音ミクの持つイメージで敬遠しないで頂きたい。科学技術と個人の情熱が拓く未来の可能性が、この一冊に詰まっているから。
そこにあるのは、手に汗握る壮大なスペクタクルではない。むしろ一人のボカロPによる、ささやかな夢だ。そしてニコ動とボカロは人を集めマッシュアップを駆動するインフラだ。そこには可能性があるが、それだけでは動かない。
場としてのニコ動、軸としてのボカロ、核としての夢、エネルギーとしての興味。それらが揃った時、一体どれほどのものが生み出されるか。
「萌えとか苦手だから」と敬遠するのは勿体ない。「難しいの厭だから」と敬遠するのも勿体ない。よくわからないところは適当に読み流してもいい、でも通して読んでみて欲しい。
太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)
ハードSFが苦手、と思っている方も、第一部「太陽の簒奪者」だけでも読んでみ
てください。そこで合わないと思う方は止めてもいいと思います。
余分なところをそぎ落とした、淡々とした記述で4億人が餓死する人類の危機と
「リング」に対する苦闘を描いており、圧巻です。
そして、それも物語の1/3程度にすぎないという……
元来、自分はいわゆる「ハードSF」は好きではありません。ハードSFは、世界を描
くことに注力しすぎて、世界の中で人がどう思い、行動するのかにあまり興味がな
いから。自分のハヤカワの海外系SFに対するちょっとした拒否感というのも(昔は
翻訳がまずいのが多かったということもあるけど)そこらへんに起因するような気
がする。
この作品でも、もっと人物をちゃんと描いてほしいなーと感じたところはありまし
たが(たとえば主人公・白石亜紀とマークの関係とか、亜紀の苦悩とか、ラウルと
の関係とか、もっと丁寧に描けば更によかったと思う)、そうするとこの疾走感は
出なかったのかなーとも思うし。
アニメ化とかしてほしいなー。プラネテスみたいな感じで。
なお、巻末にある「ハードSFの正念場」と題した稲葉助教授の小論も非常に興味深
く読みました。これで640円(税抜)はお買い得だと思います(最近の文庫は高いん
だけど)。
沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)
とあるエンジニアが作者のブログに投稿した内容が元になっている表題作
「沈黙のフライバイ」を始め、派手ではないが、夢物語ではないリアルな
話でまとめられています。
ハードSFではありますが、気負いがなく、無駄のないシンプルさが
野尻抱介の長所です。無理に盛り上げようとしなくても、十分ゾクゾク
させられるのですよ。いつも通りの素晴らしい作品です。
個人的には、国内no.1のSF作家だと思ってます。寡作なのが残念。
ロケットガール 1 限定版 [DVD]
と、コメディタッチでテンポ良く描かれているアニメです。
内容は主人公の素人女子高生と、その妹の島の住民少女と、貧弱だけど秀才の主人公の後輩女子高生がわずか数ヶ月でNASAエリートパイロットと共存作業する領域まで一気に到達してしまう話しです。
現実では到底有り得えないことが出来るのがアニメです。
気楽に楽しんでくださいな。