環境デザイン講義
東京大学での講義録なので語り口は学生向けですが、言葉はわかりやすく内容は広く一般の方にも楽しんでもらえるものだと思います。いろいろな国で数々の建物をつくってきた著者だからこそ持ちうることのできる環境への視点は他の本にはあまりないものだと思います。難しい計算式などは一切でてきませんが、光、熱などに関する数値の捉え方が独特で、辛口なところも含めて楽しめます。雑談のような部分もありますが、「これだけはおぼえておいてほしい」「これだけは伝えたい」という著者の思いがたくさん詰まっています。震災以降、環境に関する書籍が数多く出版され戸惑う方もいらっしゃると思いますが、環境に限らずこれからの建築を考える入門書としておすすめです。
カラー版 里山を歩こう (岩波ジュニア新書)
里山を歩こう、人家と田んぼ(棚田)と雑木林がセットになった里山を歩こう。そこには大昔から延々と続いてきた人々の知恵が溢れているだろう。そこには長い間人間と共存してきた自然の知恵も溢れているだろう。なによりも美しい。この本の特徴はそういう里山の魅力を一般論に還元せずに、琵琶湖の側にある仰木地区に限定して紹介して、しかも写真付きで説明しているところだ。しかも著者のこの地区に対する愛情は生半可なものではないから、おって文章写真共に迫力がある。ただ新書という制約上棚田の自然を全面的に現してはいない。もちろんそれで良いのだ。この本を読んで仰木に行くのはバカらしい。良く読めばこういう自然は自分の身近にもあることに気が付くはずだ。丁寧に作られた畦、長い紅葉期間、祭りの自慢の料理。さあ写真を持って里山を歩こう。
ほんとにあった!呪いのビデオ 15 [DVD]
特に「ニューロシス」が最恐でした。
ニューロシスとは、「ノイローゼ」の英語読みだそうですが・・・
その現場は、今は多分(?)なにもない場所ですが、かつては「富士ガリバー王国」という
遊園地でした。しかし(オウム)が原因で、不評。最終的に取り壊された場所です。
その遊園地のなかの「ミラーハウス」での撮影です。
始めは小さな声でしたが、次第に近づくかのように大きな叫び声になっていきました(怖)
一見、親子のようにも聞こえました。
母親は、強烈な叫びで娘になにかいっているかのようです・・・
この声は、今でもどこかで聞こえてきそう・・・
そして、その親子(?)は一体どんな理由でそこにいたのか・・・
後々が気になりました・・・
世界遺産 日本編(5)姫路城/琉球王国のグスクおよび関連遺産群 [DVD]
法隆寺とともに日本初の世界遺産に指定されたことがうなずける姫路城、こちらは良い!
いろいろな場所から、いろいろなアングルで、四季を通して撮影した城の姿は、
とても美しく迫力があり見応えたっぷりである。
雪で真っ白になった姿や夕焼けに映える天守閣、紅葉と堀、そして感動的なのが桜の頃。
染井吉野のピンクと城壁の白のコントラストは、もう美しい!の一言。
姫路城を、より美しく見せたいという想いが、その撮影には感じられる。
実際に行って見るのも、もちろん良いだろうが、それだけでは、この作品のような見方はできないので、
一見の価値はあると思う。
また、外観の映像とは別に、城の歴史の解説、城内の外敵を阻む各種の仕掛けや工夫の解説も
なかなか興味深く、同じ国宝の松本城と比較した解説も面白い。
これは、姫路城を再認識する作品かもしれない。 とにかく魅力的な城だ。
久々にDVDで見たが、映像の美しさは、やはり感動ものである。
もう一つの琉球王国の方は、貴重な遺産ではあるのだろうが、あまり見どころがない。
沖縄の自然を散りばめてくれれば、こちらも、もっと良い作品になったのではないかと思うだけに
残念である。
「グスク」という石の廃墟と、首里城内部の解説を聞きながら琉球王国の歴史を知ることはできるが、
やや退屈。
姫路城と作品の作り方は同じなのだが、姫路城が素晴らしすぎたために、
このように感じたのかもしれない。
姫路城だけなら★5つなのだが・・・。
構造デザイン講義
東京大学の社会基盤(土木)工学科での講義内容をまとめた本です。
以下7回の講義の中で、それぞれの主題について説明すると同時に、
「デザインとはなにか?」という問いに対して著者が考える本質が語ら
れてていきます。
第1章 総論
第2章 組構造
第3章 スティール
第4章 コンクリート
第5章 プレキャストコンクリート
第6章 木造
第7章 構造デザインの最前線
著者は建築家。長いキャリアの中で得た知識や経験を土木系の学生
に伝えるべく、この講義は行われます。学校の講義なのに、あえて、
著者の考えや好み、捉え方を言い切ります。そして、「私はこう考え
る。君たちは自分の頭で考えなさい。」と問いかけていく姿勢に好感
を持ちました。
リダンダンシー(冗長性)に対する認識の大切さ、ものづくりの「空洞
化」への対応等々、学生しかも土木系の人だけに聞かせるにはもっ
たいない話が続きます。社会で活躍しているエンジニアこそ読むべき
本です。
「解析するだけなら自動でコンピュータで答えが出せる時代です。そ
んな時代で極めて大切なのは、構造、力、材料などに対して、エンジ
ニアがいかにイメージを持てるかです。」