コーヒー・ブレイク・ジャズII
部屋を少し暗くして、お酒を飲みながら「COFFEE BREAK JAZZ」を聴く。もう最高です。疲れは吹っ飛び、明日への活力が生まれます。なぜタイトルが「COFFEE」なのか、それが不思議です。「LIQUOR」のほうがピッタリです。
すばらしい新世界 (講談社文庫 は 20-1)
階級ごとに体格も知能も発生時期の条件で決定され、壜から出た(生まれた)後も、睡眠時教育で条件反射になるようにいろいろなことが教え込まれ、完全に「生産」を制御された人たちの社会。不快な気分になったときは「ソーマ」と呼ばれる薬で「楽しい気分」になればよい。壜から出てくるので、家族はなく、男女の結びつきも「その時の楽しみ」である。社会は順調に廻っているようにみえるが、野心を抱いたり、ちょっと他人とは違うことに悩む人間はいる。そんな世界に、隔離された「蛮人保存地区」から連れ帰られた「母から生まれた」一人の青年を通して、文明のありかたを考えさせる。
数年に一度ぐらい、読み返す小説である。描かれた「空想された未来社会」は読み返す度に怖くなる。現在の世界と照らし合わせてみる。シャーレの中で受精卵から発生を進める技術も進んできた。発生のどの時期にどんなホルモンが出ることが適切か、などということもかなりわかってきた。「うつ」の治療に役立つ薬も実用化され、感情のメカニズムも随分と解明されてきた。年を追うごとに、この小説の中で描かれている技術はその当時予想されていたことを忠実に延長して考えられたものだということ、そしてその方向に科学技術は「順調に」進んできているのだ、と確認させられる。このお話の世界の展開が怖いだけに、現実の怖さも増してくる。
青年とこの社会の総帥が文明についての対話をする場面があるが、文化や宗教について、今も変わらない議論を我々は続けていることに気付かされる。「なぜ古い、良いものを与えないのですか」と問う青年に総統は云う、「われわれは人びとが古いものに惹きつけられることを好まないのだ。われわれは人びとが新しいものを好むことを望んでいる。」日々、流行に、新しいニュースに惹きつけられては、すぐに少し前のものにさえ関心を失ってしまいがちな今のわたしたちはこの世界の人達とどれほど違うのだろうか。同じように新しいものを好むことを望まれ、引き回されているのではないだろうか。
「(あなたたちは)辛抱することをおぼえる代わりに、不愉快なものはなんでもなくしてしまうんですね。・・・耐え忍びもしなければ戦いもしない。」と言い残してこの社会に背を向け、独り昔の原始的生活を始めた青年を、それでもまだこの社会は離さない。青年を追いかけてきたテレビカメラマンの言葉は「そりゃ、もちろん、わたしのほうの読者がとても興味をもつだろうと思うんですが。」。明日、この言葉が私にかけられてもおかしくないと思う世界に今生きているのが怖い。こうやって、幾つの物が追いかけられ、忘れ去られただろう。大事なものも忘れてしまったかもしれない。
1932年にこの「未来社会を空想した」小説は書かれた。ヒトラーが、ムッソリーニが大統領になった年、満州国建国宣言がされた年。
ハロー・サッチモ!~ミレニアム・ベスト
親父の代からのジャズファン、サッチモの声が子守唄という私にとって、サッチモ(ルイ・アームストロング)ファンならずとも、この芸術性とエンターテイメントの融合を評価しない人がいるの?と聞きたいくらいです。
あの絶品のラッパも、あの深くやさしいだみ声も、幼い頃の私にとって、とてもとても気持ちの良いものでした。それがサッチモだと気づくのには、もちろん、相応の時間が必要だったのですが・・・。
親父が残してくれたLPと比べても、このCDはリマスタリングの状態が比較的良く、誰にでも安心してお勧めできるCDです。
多少、古い音源も混じっていますが、私なんかはそれで損をした気分になるどころか、サッチモ独特の暖かい雰囲気に包まれて得した気分になるので、音質が悪いことを理由に減点できない珍しい一枚です。
ラッパの神様に興味があるなら、ぜひお勧めしたい一枚です。
素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス)
すごく奇跡的なことが起こるわけでもなく、特別なヒーローが現れるわけでもない
様々な考えや感情の表し方を持つ「人」がこの現実にいる
死にたいくらいのことが起きても、生きていける。そんなことを教えられた本です。
ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック Vol.3
気持ちをリラックスさせてくれる曲で構成されていているので、夜に聞いたり休みの日に聞いたりするのにぴったりです。人生の酸いも甘いも知っている大人の雰囲気がとても心地よく感じました。