僕はしゃべるためにここへ来た
ジャーナリストは客観中立的立場である。どんなジャーナリズムの教科書の1ページ目にもそう書いてあるし、大学のジャーナリズムの授業でそのようなことを書いておけば、「A」をとることは可能だ。しかし、実際に報道人として被災地へ赴いたアナウンサー、笠井信輔の取材記録である本書は、そのような教室の中での「ジャーナリズムの原則」空疎さを鋭く告発する。
笠井は一見「ジャーナリズムの原則」に忠実だ。「僕らは被災地の思いと現状を報告するために、ここに来たのだ。そこにはゆるぎない姿勢があった」(P95)「伝えるために取材し、被災地でしゃべる。それに尽きるのだと思う」(P131)。しかし、被災地で様々な苦しむ人々を見るたびに著者は、「僕はしゃべるためにここへ来た」と言いながらも、「僕はしゃべるためにここへ来た・・・のか?」「僕はしゃべるためにここへ来・・・ていいのだろうか」逡巡を重ね、悩み、迷い、後悔する。この教科書には決して掲載されない取材者としての「弱さ」や「ブレ」こそが、多くの被災者に慕われた笠井の取材者としての魅力であり、本書を優れた「ジャーナリズム論」たらしめる要因である。
食料不足に苦しみ食料を窃盗する被災者を前に、「真実を報道」することをためらい、「今この時点でも答えは揺れ動いている」(P64)。被災者より先に逃げ出した自分を後悔しながらも、「今、津波が来れば映像がとれる」との思いが一瞬頭をよぎる(P83)。笠井は、報道人として「被災地で起こっている現実を客観的に伝え続ける」ことも徹せず、かといって一人の被災地にいる人間として「とくにか苦しんでいる人に手を差し伸べる」と割り切ることもできない。取材から半年が経った本書でも「こうするべきだった」という明確な総括は示されず、「常に考えている」「悩みは深い」と結論はいつもぼかされる。
人気アナウンサーである笠井と出会うことで、一瞬の癒しになる被災者もいれば、きわどいブラック・ジョークを飛ばし元気をだす被災者もいる。そして、撮影するなと怒りをあらわにする被災者もいる。一言で「被災者」と括っても、わずか283ページの本書で登場する被災者は皆個別具体的な名前を持つ、代替不可能な特殊事例である。したがって、それに対峙する取材者も、一々悩み、考えざるを得ないのだ。
客観的な利害中立者として、取材者が苦しむ人々を報道するとき、その報道がいかに「社会」に貢献するものであろうとも、被害者を搾取するという側面からまぬがれない。彼らを救うことは、結果としてそうなるにこしたことはないけれど、本質的に幻想である。しかし、それを「ジャーナリズムの宿命」のいうテンプレートで思考停止した時、個別的な人と人の対話は決して成立しないのである。決して、両立不可能で、必ずどちらかも決断しなればいけないけど、うじうじとギリギリまで「救う」か「助ける」かの二者択一に煩悶する。そんな恰好悪い姿勢こそが、ジャーナリストに必要ではないだろうか。
犬とあなたの物語 いぬのえいが 豪華版 [DVD]
ただ笑いを取るとか、お別れで泣かすとかの内容では無く、すべての短編ストーリーで犬を飼うと言う事を深く考えさせられた内容です。
私の家にも犬と、そして認知症になってしまった母がいます。母の介護は想像以上に大変で身も心もぼろぼろになり自分を見失う事も・・・。
経験した人しかわからないと思いますが誰もが経験する可能性もあります。
そんなクタクタになった私をこの映画が救ってくれた気がします。
逆に楽しく犬を飼いたい人達にはハードルが高すぎる内容なのかも知れません、しかし、犬を飼うと言う事の責任や現実、そんな深い内容やメッセージが詰まった作品と思いました。
メイキング内容は出演者の犬との関係や出演犬の撮影風景など盛りだくさんで見応えがあります。
”あきら”のワンちゃんが演技で本気で怒鳴られてる場面や”ごはん”のワンちゃんがシェフの作ったご飯を食べない場面、そして”犬の名前”のラッキーの名演技等、全てのワンちゃん&スタッフに脱帽!!
犬好き犬嫌い関係なく是非見ていただきたい一本です。
犬とあなたの物語 いぬのえいが Blu-ray
映画の前半は、お笑いが多くて、正直、詰まらなかった。
最終話も、なんとなく話の展開も読める感じで話が進んでいった。
でも・・・
予想は見事に裏切られ、思いっきり泣かされた。映画を観終わって、映画館を出てからも涙が止まらなかった。
自分の予想では、主人公がアルツハイマーで段々記憶が失われていくけど、最後に愛犬の名前だけは覚えてる・・・そんな予想だった。
でも・・・
主人公が愛犬の名前さえ忘れてしまい、違う名前で呼んでしまった時、
自分の名前以外で呼ばれても反応する事のなかった犬が、
違う名前で呼ぶ主人公の元に駆け寄って行き、静かに寄り添う・・・
こんなにも人間を思いやる犬の心に、感動した。
今でもあのシーンを思い出すだけで涙が出てくる。
トダ精光 ケ-タイレンズ K-501 TELEPHOTO2.0倍 アルミミウム製 シルバー
iPhone3Gに透明な保護カバーを付けた状態で使ってます。
ちょうどレンズのあたりがラウンドしていて微妙だったんですが、強引に台座の金属製ワッシャを曲げて貼りつけて使ってますが、ほぼ問題なく使ってます。
老眼の私には超小さな文字を見る時の天眼鏡代わりにもなります。面白い写真撮れます。意外にレンズは明るくて接写の楽しみが増えました。