邪馬台―蓮丈那智フィールドファイル〈4〉
「蓮丈那智フィールドファイル」シリーズ4冊目
今までは短編形式でしたが、本著は初の長篇です
長篇に相応しく、題材はビックネーム・邪馬台国
その正体に(考古学的ではなく)民俗学的に迫る
キーワードは「酒と鉄」
また、冬狐さんも巻き込まれた過去の事件も蘇ります
雑誌連載の途中で北森氏が亡くなられました
その為、終盤はパートナー的存在であった浅野里沙子氏が引き継いでいます
親不孝通りラプソディー (講談社文庫)
主人公コンビの高校生時代のお話です。
キュータの「親友」が出ないのは残念だけど、歌姫もオフクロも登場。
『ラプソディー』の名に相応しく、話は転がってぶつかってはじかれてまた転がり……。
キュータのつきぬけたバカっ振りとテッキの……テッキは……、うーん、高校生の時から
こうだったのかという部分と高校生のテッキはこんなだったのかという部分が混在していて
楽しい。
楽しい分、ほろ苦い。
実はプロローグを読んでから、しばらく先へ読み進めることができなかった。
それは『ディテクティブ』を読んだ人なら想像できる感情ではないだろうか?
(どんなに転がっていっても、私は彼らの結末を知っている)、それが苦しくて。
なのに―――、やりやがった!やってくれやがった!!
もうラプソディーにのせられて踊るしかない。
『親不孝通りディテクティブ』を読み返しながら。
屋上物語 (祥伝社文庫)
デパートの屋上にある行列の出来ちゃうウドン屋さんで働く、さくら婆ぁさん。腕は良いけど、口は悪く、ヤクザの人からも一目置かれる彼女が、屋上で発生した色々な事件の謎を解いちゃう連作ミステリーです。
さくらさんを始めとする登場人物は、ややステレオタイプ的ですが、味があり、ニガイけど、読んだ後にホンノリしたものが残る感じです。連作ミステリーとしての落ちも、割とちゃんとしています。
ちょっと後味の悪いお話も有るのが、個人的にはマイナスなのですけど、全体的には、良くできた秀作だと思います。