シェイクスピア大全 CD-ROM版
こんなにすごいCD-ROMが誕生したなんて、シェイクスピアファンを自認する私は「女房を質に出しても(いないけど、私、女だし)」買いたいソフトでした。
やっと手にしてますます良かったのはMac環境でも起動すること。仕事以外はMacを使う私にはますますうれしい。
縦書きなのも、文学してるのでとても読みやすい。
私個人としては小田島先生の訳が好きなので、このソフトが出るまで小田島全集を買おうかと思っていたのですが、このソフトで小田島先生どころか、坪内・福田・木下、それから最新訳(37作全部訳すらしいです)の松岡訳まで(松岡は9作)全部読めて比べてしかもアーデン版の原作もはいって、文学的にも楽しめる!
すべてのシェイクスピアファンと文学ファンにぜひぜひ手にして欲しいCD-ROMです。
シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット
この作品を下地にした映画やドラマなどでは家族同士の確執による悲恋物である点を強調しているので、かなりロマンチックな物語と思いきや、他のシェイクスピア作品と同じで登場人物は直接的な猥雑さに溢れている。むしろ、それがあるので純粋さが強調されていると言えようか。
出会いや逢瀬、有名な最後のシーンなどはテキストで読むとあまりにもあっけなく、舞台上での演出家の腕の見せ所と思える。
物語を語る単調なドラマではなく、いわゆる「ボケ」「突っ込み」などが溢れる喜劇的なやりとりの中に、真情を吐露する独白が混じったり、セリフに文化的な教養や時事性、痛烈な皮肉があるのには驚いた。さらにセリフに溢れる罵詈雑言、猥雑さに驚き、「ライブ総合芸能」としての演劇のエネルギーというかエンターテイメント性に感心した。実際には衣装、舞台装置や照明、そして客の反応を見るような間が演出されたりするのだろうが、あまり馴染みがなかった「演劇」にがぜん興味が湧いてくる。
原典が古いうえ何通りもあること、さらに解釈が色々あるのが古典の常だが、国内外の前例を踏まえた丁寧な脚注や解説がそれらを補ってくれている。こちらは文学という学問ジャンルへの取り組み方の認識が改まるところだ。
Romeo and Juliet (Oxford World's Classics: the Oxford Shakespeare)
もう何をさておいてジュリエットが下手。エマ・トンプソンの妹らしいが、縁故採用はやめましょうよ。サー・デレク・ジャコビのマキューシオは流石です。ケネス・ブラナーのロミオは加もなく不可もなし。
ロミオとジュリエット [DVD]
数十年ぶりに観直しましたが、当時の少年少女を熱狂させたパワーが全く衰えておらず今現在リバイバル公開されても何の遜色もない程の新鮮さを感じる事が出来ました。もう今後もこのふたりを超えるようなキャスティングは期待出来ないだろうと思わせる程の、主役ふたりの可憐な美しさや儚さ、また美術、撮影(特に照明)も見事でその上さらにニーノ・ロータの史上に残る不滅の名スコア、というまさに奇跡のような完成度を誇っています。ここまで来ると美術品です。
ロミオ&ジュリエット【字幕版】 [VHS]
この作品では、監督が小道具までこだわっていて、見ていて楽しいです。特に若者が持っているピストルに注目!シェイクスピアの名作がスタイリッシュでポップな90年代のシェークスピア作品に仕上がっています。個性の強いキャストが脇を固めていて、主役の美形の2人を引き立てているのもグー。原作のセリフはそのまま使われているのに、こんなにも現代風になってしまうんだと驚きました。
現代に置き換えた設定の中では突飛で不自然な箇所もあるけれど、この「ロミオとジュリエット」は迫力のオープニングから衝撃のエンディングまで、ぐいぐい引き込まされました。