大人の問題
聴くまでは、漫画のイメージとどれぐらいずれているのか不安でしたが、読みながら頭の中でイメージしていた声とほとんど同じなので、びっくりしました。直人など恐ろしいほどそのものずばりです。
しかもセリフは漫画どおりです。絵がないぶん、何か説明を足さなければいけないのかと思っていましたが、それが全く必要なかった。
つまり今市子さんのネームというものは、何も足すことなくキャラクターも状況もすべてを言い尽くしているのですね。聴いていると、そのイントネーションで、記憶の中の絵の表情までヴィヴィッドにたちあがってきます。ここまでネームがすばらしい作家さんだったのだと、知りました。(絵がうまいだけに絵が主力のような気もしていたのです)
さて、ほとんどの役が自分の脳内の音声と同じだったと書きましたが、唯一の発見は、海老悟郎です。ひとくせもふたくせもある屈折した、したたかな感じを、関俊彦さんが演じていて、「病的な嘘つき」と作中で言われているのがなるほど、と腑に落ちました。彼の場合、顔がきれいなだけに、もっと内心を読ませない細くて澄んだ声のような気がしていたのですが、音声ドラマでは表情がないので、内心まで声で演出してえぐりださなければならないのだな、と。
で、彼の存在感は、漫画よりずっと大きくなり、主役になってしまったようで、彼のファンとしてはさらに新たな魅力を発見できて嬉しいです(研修所の原嶋さんに会いにゆくくだりなど、彼のいじらしさの出ているエピソードは今回省かれていますが)。
それにしてもこの名作ドラマ、こうであるべき、といういろいろな枠が壊れて、家族が解体し、世間体が解体し・・・そして登場人物はそういうものを脱ぎ捨てて、どんどん大きな自分自身になってゆくのが眩しいです。女性陣は特に突き抜けていて、がちがちエリートの海老一お兄さんを自在に改造してしまう由美子さん、幼女ながら家族の真実を見抜いているともえちゃん、悟郎と、直人のお父さんの関係を知って、「なーんだ、問題ないじゃない」と一笑してしまう神田さんなど、ほんとうに鮮やかです。
今市子の強くて暖かい世界の原型のようなこの作品、ドラマCDもぜひ聴いてみてください。
僕のやさしいお兄さん 4 (花音コミックス)
今さんが楽しんで書いていることがわかるボーイズラブ。読んでいて面白くない部分がない。今市子的シュミ全開でとても楽しい。おまけマンガに井坂と葛飾の初体験まで。どこまでもおもろい一冊。
百鬼夜行抄 凍える影が夢見るもの ドラマCD
一言、安達透役の藤原さんと藤堂美咲役の雪乃さんの演技がとても上手い!
もう一言、透と美咲のやりとりの場面に流れる音楽が切なくて非常に良い!
特に物語の最後の二人のやりとりの場面では、素晴らしい演技との相乗効果で泣けるはず。
ここまでいい物語はなかなかないので原作愛好者の方以外にも全ての方にお薦めします。
12巻文鳥様と私 (LGAコミックス)
なんとも不思議な漫画です。
一度読んで満足するも,しばらくするとまた読みたくなります。
そしてまた新たな発見が!
「あるある〜!」と思ったり,「え?こんなことが??」と驚いたり。
表紙の美しさに比べて,中のコミカルな文鳥様がたまりません。
1巻から読んでますが,どこから読んでも楽しいです。
昔の文鳥様の話に胸が熱くなります。
うちの文鳥もたんまり可愛がりたいと思います。
目指せ100巻!!
百鬼夜行抄 DVD-BOX
今市子さんの描く漫画が大好きで、百鬼夜行抄も、長年愛読しています。
ドラマ化する事を知り、楽しみにしていたのですが、私の住んでいる地域での放送はなかったので、DVDを購入したのですが、原作を愛しているだけに、ドラマの出来がすごく不安で買うのをしばらくは、ためらいました。
律がライフの佐古君役の子だという事も、不安のひとつでした。
しかし、DVDを実際に観て、不安は消し飛びました。さすが皆さん、プロの役者さんです。
内容が内容だけに、全く同じに再現出来ないのは、当たり前ですが、思っていたより、素晴らしい出来でした。
青嵐もかっこよかった!
続編をやって欲しいです。
BOXのインナージャケットが今市子さんの描き下ろしです。ディスクにも今市子さんの絵がプリントされており、美しいの一言です。
残念な点は、尾白と尾黒はもうちょっとなんとかならなかったかな…と、思いました。