ザ・ベスト・オブ・マールタ・シェベスチェーン‾ザ・ヴォイス・オブ“イングリッシュ・ペイシェント”‾
1997年にRYKO(日本ではビデオアーツ、販売はパイオニアLDC)からリリースされたベストアルバム。
タイトル通り、映画「The English Patient」(1996年)のサントラに収録され話題になった現象を受けてのリリースと言える。
当時は日本盤も結構出ていて、「Kismet」が「運命」という邦題だった。その「Kismet」からは3曲収録。
ムジカーシュ名義「ブルーズ・フォー・トランシルヴァニア」からも1曲。
そして名作「すみれ色の大地」からは2曲。
特に「Teremtes」(創造)は映画「おもひでぽろぽろ」(1991年)のサントラにも収録されている名曲。
色々なジャンル/スタイルの曲がバランス良く収録されている。日本盤はボーナストラック3曲の全16曲で、そちらがお勧め。
イングリッシュ・ペイシェント [Blu-ray]
死は寒く暗く孤独なのだろうか。北アフリカの砂漠の洞窟で体の自由もきかず、日ごとに弱っていく自分がそこにいて、唯唯愛おしい人の帰りを待つ。この映画では皆不幸だ。そこに愛があったと皆が確信できるかどうかは分からないが確かにそこには愛があったと私には思える。「愛」厳しく困難なもの、繋がりが深ければ深いほど悲しみも深い。あなたはどの人物に共感を覚えるだろうか。
イングリッシュ・ペイシェント【字幕版】 [VHS]
華やかな女優たちの、「私を美しく撮るのがあなたの仕事なのよ」とでも言いたげな張り詰めた美しさはもちろん、映画の醍醐味でもあり、プロ意識を感じさせて良いものである。これに対しジュリエット・ビノシュは、フィルムの世界の中の住人となり、生き生きと動き、鮮烈な印象を残す。
戦争が終結した後、患者のもとへやってきて戸口に立ち、「It's raining!」と言って笑う彼女の表情は素晴らしく美しい。こんな彼女を撮ることができたカメラマンや監督は幸せだったろうな、と思う。
そして、ハナとインド人の爆弾処理屋の教会でのシーン。照明筒を手にしたハナが教会の内陣、天井近くまで宙に舞いあがり、壁のフラスコ画を照らし出す。美しく、幻想的なシーンである。
連合軍により撃ち落とされたドイツ軍の複葉機に乗っていた男は、全身に大火傷を負っているばかりか、記憶を失ったと自ら申告し、イギリス人らしいという以外、まったくアイデンティティを持たない。死期が訪れるのを待つばかりのこの男を、看護婦のハナは静かな教会の廃屋で看病し、看取る決心をする。長かった髪を短く切り、せいせいとした表情で微笑むハナは、強くすがすがしく抜けたように明るい。
ドイツ軍により破壊され、至る所に地雷が仕掛けられたイタリアの片田舎。教会の廃屋に、戦争により命をもてあそばれ、運命を変えられてしまった者達が次第に集まり、身を寄せ合う。そして、多くを語らず死を待つばかりのイギリス人患者の、失ったはずの記憶が交差する。
ハナとイギリス人患者の最後のシーン。レイフ・ファインズの目と、ジュリエット・ビノシュの泣きの演技がまた素晴らしい。
イングリッシュ・ペイシェント [DVD]
切ない余韻がいつまでも残る素晴らしい映画です。
ゆったりと流れる時間、心に残るシーンが続き、
レイフ・ファインズの熱い視線にドキドキします。
実はこの映画を初めて観たとき、
「良く分からない話だなー」
と、不覚にも思ってしまいました。
それから年月が経ち、きっと私が大人になったのでしょうね。
次に観たときは、最初から最後まで、
とても大きな流れにそって物語が進んでゆくのを、
大きな感動とともに観ることができました。
音楽も素晴らしいし、出てくる人の様々な感情を思うと、
とても切ない、最高の映画だと思います。
この映画のDVDは、みつけた時にすぐ買ったのですが、
もうなんど観たか分かりません。
きっとこの先も、おばあちゃんになるまで
なんども観てしまうと思います。
観るたびに泣けてしまう私の宝物のような映画です。
Winners ~アカデミー賞で聴くクラシック (最優秀作品賞)
クラシック音楽というと、難しい感じで、どうも苦手に思っていたけれど、アカデミー賞作品賞に使われている映画音楽としてのクラシックということで、「どんな曲だろう」と思い、聴いてみた。
「これって、映画用の曲じゃなくて、クラシックだった。」と映画音楽だと思っていた曲の多くと再会。聴いていると熱烈な映画ファンであるからいくつかの場面を思い起こして涙も出てしまった。
「マンドリン協奏曲」にはダスティン・ホフマンのフレンチトースト、沈みかけるタイタニックの船で演奏される賛美歌、そして「ティファニーで朝食を」のムーンリバーのピアノの音色を一瞬聴いた途端に、たまらなく、感動してしまった。
添付のブックレットには、非常に細かい映画、クラシック曲の解説、アカデミー賞の全履歴など、参考書の用な内容で、カラー解説の見栄えも、なかなか美しく、好きだ。
ということで「クラシック」苦手という僕もこのアルバムを
聴いてクラシック、映画音楽をもっと知りたくなりました。