ハゲタカ2(下) (講談社文庫)
私が勤める会社も
外資の入札にかけられたばかりであり
話が進むにつれて他人事のように思えない自分がいました。
今作のように
政府を巻き込むような大騒動にはなりませんでしたが、
社内の様子は、今作同様、落ち着いているように見えてざわついている。
丁度、白鳥が水上では優雅に泳いでいるように見えるけれども
水中では、必死にバタバタと足を動かしもがいている、そんな感じでした。
と、こんな感想を書いてしまいましたが、
ハゲタカシリーズを順番に読んだ感想としては、、、
鷲津と芝野が人としての器が大きくなっている
鷲津と芝野が人としのて深みを増しハードボイルドさに磨きがかかっている
鷲津と芝野の頭の切れ味が増している、特に鷲津
企業 vs 企業だけでなく、
日本政府、アメリカ政府まで巻き込んで、
話のスケールも大きくなり、あまりの面白さに
ハートをガッチリつかまれてしまい、睡眠時間を削って一気に読んでしまいました。
寝不足にならぬよう、
時間にゆとりのあるときの通読をお薦めいたします(苦笑)
ベイジン〈上〉 (幻冬舎文庫)
最初のシーンにクライマックス直前を持って来て時間を遡って登場人物を描写していくという、今までの真山氏にない手法で一気に引き込まれた。
毎回異なる旬なテーマを提供し続けている真山氏だが今回も期待を裏切らない。
見て書いたかのような開会式など、オリンピックを見た人にはより本の世界がリアルに感じられるだろう。
買って損のない本であることは、間違いない。
ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
先日、超おもしろいと私が絶賛した「ハゲタカ」(真山仁著)の続き。
一応、1から話はつながっているが、
1とはまた違った話として一まとまりになっている。
1とは違って、そんなに金融的な話が少なく感じられ、
むしろ人間の駆け引きとか弱さとか運命とか、
そうしたことを感じさせるトーンになっていて、
もしかしたら1よりも読みやすいかもしれない。
もうとにかくおもしろくって、
私はめったなことでは電車以外で本を読まないのだが、
先を読みたくて仕方がなくって、家でもとりつかれたように読みふけってしまった本。
「ハゲタカ2」の元の題名は「バイアウト」。
凋落企業の今後をめぐって、
日本の政治家、官僚、企業、銀行だけでなく、
アメリカ政府や米外資金融機関など、
さまざまな関係者がうごめく様子はまさにリアル社会の映し鏡といっていいほどの、
見事なノンフィクション的できばえ。
金融話に詳しくなくても企業を舞台にしたドラマ仕立ての小説として読めるので、
この本もぜひおすすめしたい1冊です。
山崎豊子とかおもしろかった人ならまずハマるでしょう。