ジュラシック・パーク〈3〉 (シネマブックス)
前二作が、恐竜を通してカオス理論などの最新科学を小説と言う形式で表現した読み応えのある書だった。それに対し、本書は映画のノベライゼーションであり、気楽に一気に読むことができる。前二作のような読み応えを期待すると少しがっかりするかもしれない。
おなじみのグラント博士が登場し、ロゴも一新され、新たな恐竜が現れる。映画を見る前や見た後に、細かいところを理解するときのガイドブックとしてお薦めする。
日本フィル・プレイズ・シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー Part3~スター・ウォーズ(SF・ファンタジー篇)~
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。
しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。
しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。
沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。
これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。
いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。
ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。
いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。
そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。
日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。
ベン・ハー 製作50周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション(3枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray]
決して懐古主義ではないのですが、なんというかこの時期のハリウッド映画はBDで観る価値ありますね。
とにかくセットやエキストラなどの迫力がすごいです。
最近のCGやVFXだとBDで観たとき鮮明であるが故に、劇場では気づかなかった不自然さが目立つことがあるんですが、こういう古いハリウッド黄金期の映画は鮮明な分、当時かけられた予算や手間が「再発見」できます。
とりあえず新作は置いといてでも、(少しでもフィルム状態のいい間に)こうした古い大作を、しっかりデジタイズして欲しいです。
ジュラシック・パークIII【字幕版】 [VHS]
行方不明になった少年を救出すべく、再び恐竜の住む島に赴く面々。これ以上の説明はいらないでしょう。CGと分かっていても、襲いくる恐竜達の姿は息使いが聞こえてきそうな程リアルで、限られた人員と物資と知恵でそれらに立ち向かう人間達の息をもつかせぬサバイバル劇を見ていると、まるで遊園地のアトラクションを楽しんでいるようなトリップ感にあなたを誘ってくれるでしょう。最近の研究で恐竜は映画のように早く走れなかった事が判明したり、続編は大抵二番煎じでつまらないのではないかというマイナスイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、それらを吹き飛ばすエンタテイメント性がこの作品にはあります。少なくとも僕はそう思いました。