世界名作劇場シリーズ メモリアルブック アメリカ&ワールド編
本書は、世界名作劇場シリーズの北アメリカ、南アメリカ及び無人島やアフリカ、そして世界中を舞台とした「赤毛のアン」、「家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ」、「トム・ソーヤーの冒険」、「私のあしながおじさん」、「母をたずねて三千里」、「愛少女ポリアンナ物語」などが収録されています(注意:2009年に放送された復活第3弾で通算第26作目の「こんにちは アン 〜Before Green Gables」はカナダが舞台のため、本来なら本編にあたる作品だが、2010年春発売のヨーロッパ編にて巻末で特別収録されていますので本書には収録されていません。本書は2009年夏に発売されたのだが、その時は「こんにちは アン」が放送されているためです。ですから、「こんにちは アン」を目当てに購入しないように注意しましょう)。
ヨーロッパ編にもレビューを書きましたが、各作品の名場面や食べ物、動物の特集、それからキャラクター設定画や原作の紹介、各話のエピソードのあらすじ、コラムなど世界名作劇場ファンにとって非常に充実した内容になっています。もちろんファンじゃなくても楽しめます。本書を読んだだけで、オープニングとエンディングの映像や名場面でこんなのだったなぁと、きっと懐かしい感じになると思います。またあの作品が見たくなると思わせるほど素晴らしい本書です。ファンの方(またはファンじゃない方も)は是非ヨーロッパ編と2冊揃えてくださいね。
ちなみに私は、「赤毛のアン」や「私のあしながおじさん」を目当てに購入しました。特に「赤毛のアン」が好きだったので。
世界名作劇場・完結版 母をたずねて三千里 [DVD]
原作は、デ・アミーチスの小説『クオレ』に出てくる学校での「毎月のお話」の一つ、ごく短い作中説話にすぎない。それを、よくここまでスケールの大きなアニメ作品に仕上げたものだと、改めて感嘆してしまう。
常にマルコの心の支えとなってくれる小猿のアメデオも、原作には登場しない。愉快なペッピーノ一座も(もちろんフィオリーナも)、彼らと向かうバイアブランカへの旅も、ペッピーノが駅でメレッリをぶん殴るエピソードも、当然原作には存在しない。そして私が最も好きな、インディオの少年パブロとの出会い、友情、別れ、汽車の窓からの一瞬の再会シーンも、すべて原作には出て来ないのだ。ケーナのメロディーを聴くと自然に涙があふれてくる、あの感動的な名シーン……。アニメ・オリジナルの部分にこそ、「母をたずねて三千里」の本質が描かれているのではないか。そう思わせる“心のふれあい”の数々。原作を超えたドラマ、本当に素晴らしかった。
ただ、その編集には、かなりの無理が感じられた(オープニングにある、ロバに乗って旅するシーンまでもが本編でカットされていたのは、ちょっと納得がいかない)。前後のつじつまを合わせるための新録のナレーションにも、やや違和感を覚えたし、“このシーンをもう少し観たいのに……”というところで場面が切り換わってしまうのが、非常に残念だった。
舞台も登場人物も次々に変わってゆく、長い長い旅の物語を、わずか90分にまとめること自体がまぁ至難の業なのだ。どうしても“あらすじを追う”程度で終わってしまうのは、しかたのないことだろう。これは「完結版」としてではなく、テレビシリーズ全52話への「入門版」と割り切って観たほうが良いかもしれない。
母をたずねて三千里(13) [DVD]
牛車の商隊がくれたロバの「ばあさま」は、高齢と疲労から、とうとう倒れてしまいます。
もう、マルコの旅を助けてくれる人は誰もいません。マルコはただ、とぼとぼとアルゼンチンの大陸を北に向かって歩きます。風吹く荒野に、その心象風景を奏でるかの様な、暗い切ない音楽・・・・・・。本当に言い様の無い寂寥感が迫ってきます。 ベースとなる原作ではこういうマルコの旅が本当のところなんでしょうが、コレで一年放映してたら、ホントにただ辛いだけで話が保ちませんよね(笑)。
こういう所から逆に、高畑演出と深沢脚本は、「旅するマルコ」を援助する様々な登場人物、エピソードの積み重ねに心を砕いてきた事が解ります。
波濤の旅の末、マルコはお母さんに再会します。病床にあった母さんは、マルコの来訪によって文字通り命を吹き返し、マルコは泣きじゃくりながらつぶやきます。
「来て良かった。本当に来て良かったんだ!」
このカタルシスを得る為の道のりのなんと長かった事でしょうか(笑)
母さんとジェノバに帰れる事になり、帰途に向かう船の上から、マルコは、自分を苦しめ、惑わせ、様々な人と出会い、人々に助けられ、時には身を挺にして人を助け、人間的にも大きく成長させてくれたアルゼンチンの大陸を、もの哀しい鈍い表情でじっと見つめます。
彼は、こんなに散々な目に遭わされた大陸を嫌悪しているでしょうか・・・。いえ、決してそんな事はありません。
「帰ってくるって、マルコはきっとまた帰ってくるって・・・・」
マルコが帰る船を見つめるフイオリーナの表情は、萌えて逝ってしまいます・・・・(何のハナシや!!)
そう、マルコは立派なお医者さんになって、またアルゼンチンに戻ってくるでしょう。
アニメーションの「母をたずねて三千里」という長い物語は、その話の構造上最後まで、シンドイ話の連続で、この物語を最後まで見続けるには、相当程度の精神的な体力が必要で、高畑・宮崎監督が今まで手がけてきた作品の中でも不思議に振り返られる事がありません。
だけど、この長い、様々な民族的な風土、風習を舞台にした骨太の物語を最後まで見届けた後には、体に芯が入った様な気持ちになると思いますし、その精神的な体験は、後々まで心に残ると思います。
出来るだけ沢山の方々に見て頂きたい作品だと思います。
母をたずねて三千里 (徳間アニメ絵本)
この作品(アニメ)を観た時、マルコより少し年上でした。
マルコはイタリア、ジェノバの少年です。
父の代わりに、他の国に働きに行った母。
が、しばらくすると手紙が途切れます。
母親に会うため、イタリアからチリに行く決心をしたマルコ、バイトをし、船に乗り込むため船乗りの手伝いをし、また他の船では嵐にあいます。
行く先々で、お金を盗まれたりのトラブルに困りますが、人に優しく勇気を持ったマルコだからこそ、出会った人たちが助けたり、支えてくれるのでしょう。
やっと会えるのかと思いきや、母親の働き先が変わっていて、マルコと一緒に何度も涙を流しました。
更に旅を続けるマルコは、旅をしながら、同じ旅人に助けられ、また手伝いをし、雨や風、雪の中を、母の働き先へと進みますが、それをはばむように起こるトラブルに、見ているのがあまりにもつらくなり、が憂うつになりました。
ただ、何が起ころうと強い心をくじけさせなかったマルコは、お母さんに会うための道を、ひたむきに進むのです。
様々な苦難や病気、ケガ、それでもいつも前向きに(時にはちょっと大胆に?)、母を求めるマルコの行動力は、家族の絆や真の勇気を教えてくれます。
大人になって読んでも胸にグッときますが、純粋な心のままの子供さんに、ぜひ読んで(読みきかせて)欲しいです。
母をたずねて三千里 (竹書房文庫―世界名作劇場)
省略はあるものの、
スタッフの方々の労働者魂といいますか
職人魂が込められた作品に出来上がっています。
マルコの無力なのに我を張るところ
もきちんと描かれていました。
また大人たちが「いい」ところと「悪い」ところ
を持っているのも忘れず記してありました。