PEACE MAKER鐵 (6) (ブレイドコミックス)
江戸時代の末期・幕末に活躍した組織『新撰組』の活躍を描いた今作。
元々『少年ガンガン』で連載されていた『新撰組異聞ピースメーカー』の完全続編となっており。『月刊ブレイド』へと掲載変更してからの『ピースメーカー鐵』から物語に入るのは聊か無理が有りますのでこれから読んでみようと言う方は、前作から含めて全て読んでみる事をお勧めします。
今回は『月刊ブレイド』連載時点で、いきなり作者の諸事情により掲載が止まってしまっていた『油小路の変』の途中から始まります。
さすがに、5年もの歳月が開いてから、今一度『黒乃 奈々絵』先生の絵柄を見てみると『あれ?こんなに女向けっぽい絵だったっけ?』と、少しだけ思いました。
ただ、それ以外はさして変わった様に見受けられた感は無く、見やすい絵・構図によって難なく久方ぶりの新撰組に入り込めました。
今作の見所と言えば、元々新撰組や、維新志士の活躍を描く場合。大体は名の知れた人物を描く物ですが、この『PEACE MAKER鐵』では、新撰組の副長『土方歳三』の小姓(身の回りの世話係みたいな・・・)『市村鉄之助』を主人公として話が進みます。
なので、新撰組が出来た経緯や、様々な人物相関等の説明は余りなされません。そこら辺はあくまでも『鉄之助の物語として割愛』という感じなのでしょう。
そういった箇所に関してはあまり気にする人は居ないかも知れませんが、ただ一つ。普通の新撰組漫画として見たいと言う人に注意してほしいのは、ストーリー上で語られる事のない戦いがあったり、あくまでオリジナルの設定で描かれる場面もあるという事。
事実、歴史上で当時の倒幕派の先駆け『長州藩』との実質的な総力戦になった『蛤御門の変』などが、ただの思い出話として語られ、新撰組から派生した組織、御稜衛士を壊滅させるための作戦『油小路の変』で襲われる筈の人物が逆に新撰組に襲撃を掛けてきたりと、要所要所で違う個所が多々あります。
無論、そう言ったオリジナル性に依って、物事の結果自体が捻じ曲げられていると言った事は無いので、完全2次創作という感は有りませんが、頑なに『こんなの新撰組の歴史に無ぇじゃん』と思う人は、あまり見ない方が良いでしょう。
歴史上では今作の主人公『市村鉄之助』は、土方歳三と共に五稜郭まで北上し、そこで土方歳三に、故郷に持ち帰る手紙を託されて戦線を離脱(土方が若い市村を逃がした?)のですが、そう言った史実に基づいたラストも、このPEACE MAKER鐵ではどうなるか、はっきり言って先が読めません。
そういった面は、単純な歴史の史実に基づくだけでなく、一味違った歴史漫画を見たい人にはお勧め。基本的に小難しい事を考えずに見れますし。
私としては、不満、というか不安な点は今後一層、女性向け的な演出がなされないか、という点。
元々、作者自体が最近の『BL的なノリ』が好きな様で、趣味を全開にしたという漫画を描いて居る程。新撰組という、男だらけの組織なので仕方のない事ですが、あまりに『男同士の友情』てきな場面ばかり見せられると。若干、男性読者としては萎える事も・・・
直接的な男性同士のキスシーンやベッドシーン等。露骨に腐女子向けの演出は無いので男性の読者でも見れる事には見れるのですが、今回『油小路の変』で死亡した隊士の亡骸を、仲の良い隊士が抱きしめるシーンなどは、感動半分・違和感半分。と言った感じ。
あまりにガチホモ的な演出がなされない事は、ガンガン時代からの男性読者にとっては唯一の希望。という所でしょう。
後の見所と言えば、他のレビューにも記載されて居たり、友人も同じような意見を持って居ましたが『戦闘シーンより、ストーリーを進める事を優先した感が有る』といった箇所。
元々、何カ月もかけて、一人の敵と戦う様な戦闘シーンは無い漫画なので、それ程大きな違和感は有りませんでしたが。今回、『油小路の変』編の後半では更にそういった感が見られました。
極めつけは、アクションの描けない漫画家に有りがちな『すれ違いざまの描写だけ見せて、その後どちらか一方が崩れ落ちる』という演出。さすがにこれだけはやって欲しくなかった描き方ですね・・・
まぁ、一瞬のアクションを切り取ったような構図や、凄惨な流血表現等は、衰える事無く健在。最近、同人の様な見るに耐えない漫画家が多い中で、このクオリティは目を見張るものが有ります。
一昔前の少女漫画の様に『男は全部端正な顔立ちで流し眼』という訳では無く、ちゃんとキャラ毎に描き分けられているので『女の人が描いてるのか・・・』という所で悩んでいる男性の方々は、一度手にとって見る事をお勧めします。
総評として
・話自体は、コミック前巻からの完全続編。5年の間を補完する様な総集編や、あらすじ紹介等は無いので、これから見てみようと言う方。もう今までのヤツ売っちゃったよ。と言う方は今一度、最初から読み返す事をお勧めします。
・絵柄自体や、全体の構図・構想についてはあまり大きな変化は無し。今までの話が見れていたなら、普通に受け入れられるでしょう。
・今回の巻で、また一旦の区切りらしいです。次回(いつ出るかは分りませんが)からは『北上編 』と言う事で、終に新撰組の末路に向かって物語が進んでいく様ですので、一度に全部読んじゃいたい。とう方は、いっその事もう何年か待って、全てが出揃ってからの購入をお勧めします。
こういった所でしょうか?
何せこの人は、上手くかけ持ちが出来ない癖に、様々な連載を受け入れて仕舞う様なので、これからもこの作品をほったらかして、他の作品に手を付ける可能性が大きい。
既にそう言った点が嫌で読むのをやめてしまった人も多かろうが、ゆっくりでも着実に、終結へと物語は向かっています。
今回の新刊を機に、今一度作品に触れてみてはいかがでしょうか?
ドラマCD「Vassalord.」ヒエロクルスの迷夢
元々ドラマCDって苦手だったんですが、此方は最高に楽しかったです。トキメキでした!コミックの話に沿ったCDですが新しい楽しみがてんこ盛り!+ミニドラマが最高!買いですよ
ドラマCD PEACE MAKER 鐵 第弐巻
今回の話はとても笑えました、笑。特に3バカの新八・平助・佐之助がとてもおもしろいなおかつカッコよかったですっ!!(私的に戦闘シーンとか・・)ウチてきに辰之助も弟馬鹿でめちゃおもろかったです、笑。鉄之助のセリフに(あっいいセリフやぁー)と思いました^-^
斉藤一や山南さんや沖田さんや土方さんのキャラも最高でした★☆
ウチてきにこのCDはとてもお勧めっす!!皆さんも一度聞いてみて下さい~
PEACE MAKER 鐡 キャラクター・ディスク -沖田総司- [DVD]
人気アニメ「PEACE MAKER鐵」の中でも最も人気の高い沖田総司オンリーのDVD。彼の魅力を再発見&新発見できると思います。ジャケットも書き下ろしで、とてもステキです。アニメ派の人だけでなく、原作派の人にもお薦めです。アニメDVDには手が届かない、という方もこれは値段がお手頃なので買いやすいと思います。