パパと呼ばないで DVD-BOX I
この舞台である東京には、まだ都電も走り、他人を下宿させる下町風情も
色濃く残るという時代であり、そんな中、店子と大家が一つ屋根の下で、
ひとつの家族として何かを育くんでゆくという彼らの泣き笑いを描いた、
昭和47年のドラマである。
彼らの同居生活からは、他人とのプライバシーの不自由さは、
微塵も感じられない。むしろ、人々の心を寄せ合わせる有り難みと、
滑稽さと、楽しさと、生き甲斐が、常にそこにはあったように思える。
チーボーが嬉しい時や辛い時、画面の外に居るこちらの涙腺も何故か忙しい。
つい自分も童心に帰ってしまうからなのだろう。
是非、右京さんや井上精米店の人々の心の交歓に触れていただきたい。
また、あの頃の家族にに再会できるような、そしてま??最終回を見終われば、
もう彼らと再会できない寂しさを覚えてしまうような、
そんな優しいDVD_BOXである。
コメディードラマ・ソングブック
「コメディドラマ・ソングブック」を聞くと、石立鉄男を始め、今は亡き、個性的な俳優が活躍したドラマの、あのシーンが蘇る。まるであの日に戻ったように。何十年後の今、夢や希望を抱いていた、あの時とは現実は異なるが、懐かしい日々を糧に毎日を生きている。
気になる嫁さん DVD-BOX1
生まれて初めて好きになった俳優は石立鉄男だった。70年代、ユニオン映画社が製作し、東宝クレージー・キャッツシリーズ等の才気あるコメディを手掛けていた松木ひろしを中心とした脚本家たちが構築した、作品は異なれど“口は悪いが思いやりが深い、陽気な二枚目半”的なキャラクターをコミカルに演じたNTV系の「水曜8時石立劇場」での人情悲喜劇は、10代の前半だった私にとって、本当に思い入れが多いプログラムだった。中でも、今作と「雑居時代」は、再放送も含め、何度も何度も繰り返し見ていた生涯忘れえぬ傑作だ。このドラマ、ホーム・コメディのカテゴリーに入るが、ただのコメディでは断じてない。70年代初頭、高度経済成長期を通過したある家族の物語。てんでばらばらで個性的な一家が、榊原るみ扮する末っ子の嫁が家庭に入ることで次第に優しさや絆を取り戻していく話を、独特のペーソスと笑いを散りばめながら、切なさと暖かさをもって描く一方、石立がTVの視聴者に突如話しかけたり、ドラマの脚本が出来てない設定で、“ドラマの中で実際の出演者が”物語を推測したりと、斬新で型破りなタッチで、日本のドラマ史に残る作品だった。とにかく、コメディでありながら、結局は一家離散と言うどうにもぺシミスチックなラストが凄すぎる(笑)。日本のバート・バカラック大野雄二の軽やかで美しい音楽も素敵な今作、石立は弱小サラ金業を営むどケチな次男役を演じていたが、金に人一倍執着しながらも実は情が深い役柄が子供心にカッコ良さを感じたものだ。マスコミ嫌いで知られ、実際はドラマのキャラクターとはかなり違ったようだが、ブラウン管でのその姿は、ファンにとっては、いつまでも残り続けるだろう。合掌!
気になる嫁さん DVD-BOX2
懐かしく、それでいて人情味のあるドラマです。現役の役者さんも少ないですが、その分楽しいです。
ラストが、少し寂しかったです。石立鉄男シリーズは、ハッピーエンドが良いと思いました。