Shades of Blue
このアルバムにおいてMadlibはJAZZ、HIP-HOPに対しての新たな道を示したと思ふ。
タイトルにあるJazzの名門老舗レーベル『BLUE NOTE』という言葉から受けるフォーマルな感じはなく、BLUE NOTEの冒険的な(私的に良い)一面をもって、鬼才Madlibとタッグを組んだ良作ではないでしょうか。
「Yesterdays New Quintet」「Monk Hughes & The Outer Realm」「Ahmad Miller」「 The Last Electro-Acoustic Space Jazz & Percussion Ensemble」「Joe McDuphrey Experience」「Malik Flavors」(←彼の別名儀を挙げだしたらキリがない)などなど…でも彼が示してみせた、HIP-HOPを一度通過してからJAZZを解釈した音楽でも、その統一された世界観には驚かされた。
上記の名義での作品は「スペイシー+ファンク+アブストラクトJAZZ」といった印象を個人的に受けますが、本アルバムは主にJAZZのスタンダードナンバーのカバーなので聴きやすいと思います。スタンダードナンバーをMadlib風の(←2003年当時で、近年猛烈に表現の幅が上がったと思う。)Jazz感をもって巧く調理しており、サンプリング+ループ主体のただのJazz Hip-Hopといった感は無く個性が出ていると思います。
圧巻はオリジナルナンバー(と思うのですが)5,8曲目であろう。JAZZの1つの未来形がある。
Soundpiecies: Da Antidote
ワイルドチャイルド、DJロームス、マッドリブからなるルートパックの1stアルバム。
メインストリームの動向を完全に無視し、ヒップホップへの愛情をモロ出しにした
アルバムが西海岸から出て来たことに当時結構な衝撃を受けました。
その一途さゆえ、発売から5年経った今でも余裕で聴けます。
マッドリブによる粗く泥臭いビート、そこにキッチリとハメてくるDJロームスのスクラッチ、
バトル性の強いワイルドチャイルドのラップが三位一体となり、
ヒップホップ以外のなにものでもないアルバムです。
特にマッドリブのビートはネタ選びからフリップのセンスまでがオリジナルで、
常人が見ている世界との違いを感じさせる音になっています。
マッドリブのジャズ活動で入った人にどう聴こえるかは正直分かりませんが、
ヒップホップが好きなら避けては通れないアルバムと言っても良いでしょう。