アクターズ・スタジオ DVD-BOX I(4枚組)
一人ひとり、この世界に入ったいきさつ、道のり、映画や演技への熱い思いがひしひしと伝わり、とても感動を覚えました!
特にバーブラ・ストライサンドは、もっと自己主張ばかりで扱いにくい女性なのかと思いきや、インタビュー中、とっても女性らしさ、かわいらしさがのぞいていて、特に「お腹空かない?」といってキットカット食べて大喜びするところなんて人間味溢れていて、見なおしてしまいました!
超かわいい〜んですね、話し方や仕草が・・・!
4人とも素晴らしく、共通しているのは、
俳優の隅から隅まで知り尽くしていないと、監督としてその俳優の持ち味が引き出せないなど・・・情熱がよっぽど無ければこの世界続かないだろうことが、とてもよく理解できました!
アクターズ・スタジオシリーズは、すべて観たくなりました!!
ディア・ハンター 【スタジオ・カナル・コレクション】 [Blu-ray]
同タイトルのイギリス版を購入しました。日本語字幕収録の多国対応マルチ仕様で、おそらく国内版も同内容になると思われますのでレビューを。
ディア・ハンターの国内版DVDはどれも画質が芳しくなく、ブルーレイも低品質のソフトを多数リリースして評判が悪いStudio Canalの制作なので期待せずに購入しましたが…。
意外にも画質・音質共に素晴らしいです!LD、DVDとは比べものにならない高品質で驚きました。
発色、精細感は70年代の映画とは思えないレベルで古い映画のデジタルリマスターの理想的な仕事と言えます。
クリストファー・ウォーケンが冒頭の結婚式ではしゃぎ過ぎて顔面を汗まみれにしているのは今回のBD視聴で初めて気がつきました。
鹿狩りのシーンでは撮影監督ヴィルモス・ジグモンドの神がかり的に美しい風景描写を存分に味わえます。
DTS HD 5.1Chのサウンドも丁寧に作られており、派手な音響効果と繊細な音声処理双方共に表現されています。
鹿狩りに来たデ・ニーロがライフルを試し撃ちした時の、銃声が拡散して消えていく効果が一番のお気に入りです。
Studio Canalの問題点としてよく挙げられている日本語字幕ですが今作も微妙です。
直訳テイストは相変わらずで違和感を感じる方も多いと思います。
機械翻訳レベルだった同社の「死霊のはらわた2」などに比べればずっとマシですが…。
映像特典の日本語字幕は本編より質が高いのが不思議で担当業者が違うと推察されます(ただしミッキー・ロークのインタビューのみ例外で酷い水準の字幕)。
映像特典はチミノ監督、撮影監督のジグモンド、スティーヴ役のジョン・サベージのインタビューが収録されておりなかなか興味深い内容です。
予算と格闘していたこと、チミノが勝手に上映時間を短く編集した担当を怒って首にしたらその人物が本作でオスカーの編集賞を取ってしまったこと、アクセル役のチャック・アスペグレンは俳優経験のない素人で、チミノとデ・ニーロ二人がロケ地を案内してくれたチャックを気に入ってアクセル役に起用した事など。
吊り橋にしがみついているデ・ニーロ、ウォーケーン、サベージの三人をヘリで救出しようとするシーンではヘリのスキッドに吊り橋のワイヤが引っかかり、ヘリに乗ってたチミノもろとも全員死にかけたという怖くて笑えない話も…。
字幕に若干難がありますが画質、音質は最高なので気になっている方は間違いなく「買い」です。
個人的には日本語吹替音声を収録して字幕をDVD準拠にしてもらえれば文句なしですが。
ダウト ~あるカトリック学校で~ [DVD]
自分を陥れようとする人は怖い。特に生活の糧を稼ぐ職場から、自分を排除しようと躍起になる人が出てくると怖い。厄介だなあ・・・とこの映画を観て思った。学校でも職場でもそのような人間が自分よりその集団の中で)力が強かった場合、手の打ちようがない。訴訟以外に報復の方法もない。
この映画に登場するフリン氏も、アロイシスという暴君(に近い校長)に目の敵にされ、黒なのか白なのか分からない疑惑の末、職を追われてしまう気の毒な人である。「善良さは弱さではない」と劇中に、フリンが若き修道女に説くシーンがあるが、彼の信仰をもってしても、人の世の汚さには打ち勝てなかったのか?という脱力感が残る。
中盤。フリン神父とアロイシス(ストリープ)が執務室で一騎打ちになるシーンで、フリン氏がいきなり机に座って、アロイシスの発言の記録を取り始める。上の人間にこのようなことを言われたという記録が必要だと感じたのだろう。当時はICレコーダーもないし。彼も堂々と振る舞っているように見えて、内心は相当に追い詰められていたのではないか。
台詞劇である。脚本というか台詞回しは秀逸だ。映画の感想に皆さん書いているように、メインの役者三人(メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス)が、各自かなりの芸達者であるため、見ごたえのある完成度の高い作品である。誰にでも安心してお勧めできる。もともと評価の高い戯曲を映画化したものなので、全体的に登場人物の数は絞り込まれていて、短めの収録時間(103分)に、三人の心理描写がこれでもか!というほど、ドラマチックかつ緻密に織り込まれている。
最後まで真実が闇の中である。かぎりなく黒に近いのだが(フリン氏が爪を長くのばしていたり、かなりの甘党だったりする描写は「うーん」と思う)、あの黒人の少年も、事情が事情であり(アロイシスと彼の母親の口論はいかにも舞台劇を映画にしたような、台詞だけで見せるシーンである)、疑念doubtは疑念を呼ぶ。