4手のためのピアノ作品集
発表会用の曲を探すために買いました。
ラフマニノフの「6つの小品」が聴ければピアニストは誰でもいいや、って感じで買ったのですが、
すごくよかったです。
日本では誰でも知ってるピアニストってわけではないですが、デュオって有名なら誰でもいいわけではないですよね。
このデュオの洗練された華やかな響きがとても素敵でした。
曲目は、目的のラフマニノフもよかったのですが、初めて聞いたレスピーギの小品集も色彩豊かな感じがとても気に入りました。
が、これ、どうも楽譜が入手困難なようです。うちの近所のヤマハにはありませんでした。先生も探してくれたのですが見つからなかったです。
結局発表会は、時間がないので手持ちの楽譜があるフォーレのドリーを弾く事になったのですが、楽譜が見つかればいつかチャレンジしたいです。
ざくろの色(デジタル・リマスター版) [DVD]
アルメニア出身の映画監督。長編は4本しか残していないとのこと。本作発表後、いわれの無い罪で投獄されました。これに対し、フェリーニ、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、トリュフォー、ゴダールといった映画人が抗議をし1977年に釈放されたそうですが、その後も(旧ソ連時代)軟禁されるなど苦労の連続だったようです。
アルメニアの詩人『サヤト・ノヴァ』へのオマージュのようですが、最初に次のような字幕が出ます。
「18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの伝記ではない」
「詩人の幼年時代〜死」と8章に区切られ順に字幕が出ます。ストーリーを追うというより、次々に差し出される美しいイメージを受け止めていけばよいのだと思います。エキゾチックな音楽(アルメニアの民族音楽だと思います。)が流れ、時々短いことばと字幕が入ります。動く絵画のような、あるいは演劇性の強いダンスのような、とにかく(私にとっては)初めて見る作風でした。
そして、作品のイメージは美しいだけではなく、とてもピュアで健やかで悠久の時を偲ばせるものでした。宗教、習慣などが異なっても、底に流れる何かが私たちともつながっていると感じられ、画面から目が離せなくなりました。心がリセットされます.....。(色彩の美しさに目を奪われました!)
※「ざくろ」は、アルメニアでは、特別な『聖なる果実』なのです。(ワインもありますよ。)
※山羊を捌くシーンに「流血」が見られますが、表現としては穏やかなものです。私たち日本人が魚を捌くのとなんら変わりのないものとして受け止められました。普段、映画の「流血シーン」は人一倍苦手な私です.....。
リード!リード!!リード!!!
吹奏楽の神様リードの作品集。
どの曲もさら〜っと流された感じがします。
リードの曲はもっとどっしりして、タメるところは十分にタメて!!というイメージを持っている私には物足りないです。
これも別の解釈の一つとしてあるのでしょう。
今後は、バーンズや、スウェアリンジェン、ハックビーなどの作品集も収録して欲しいなと思います。
ざくろの色 [DVD]
内容は、主人公の詩人を幼少期から亡くなるまで描いたものです。といってもそれはあくまで主人公らしき人物がいた方が物語として見やすいから置いているだけの様な気がします。
正直ストーリーといえるものはありません。
それよりも最初から最後まで展開される赤、黒、青、白、黄土、金色などを効果的に使用した圧倒的な色彩美、白塗りメイクを多用した前衛的な演劇、宗教的な意味合いを包含した振る舞い、儀式(羊を生贄として本当に殺してるのはいただけませんが・・)等から見る者が個々に解釈すべき作品なのだと思います。
また何も考えず、動く絵画として見てもいいのではないでしょうか。
映画好きよりは芸術全般、絵画や前衛劇が好き、もしくは興味がある方におすすめします。
でないと買っても腹たつだけだと思います・・
コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A)
コーカサス地方――と言われて、ここだと言える人は少ないかもしれないが、
チェチェンの名前は知っている人は多いと思う。
8月12日にグルジア共和国から独立を宣言した南オセチアもコーカサスだ。
この地方はアジアとヨーロッパの分岐点でもあり古くから宗教や文明が複雑に入り組んできた。
カスピ海の石油、天然ガスなどを巡る利権などもあり、バルカン半島とは別の意味で「火薬庫」でもあった。
私はチェチェン紛争に関する本を何冊か読むまで、コーカサスのことはあまり知らなかったのだが、
本書はコンパクトに、コーカサスにおける民族紛争の歴史と実情がまとめられている。
民族紛争という重くて深いものを新書1冊にすることには無理はあるのは、著者も承知なのだろう。
そのためか、本書は「概観」といったほうがいいが、それでも非常に優れたものになっていると思う。
チェチェン紛争、ロシアの闇の部分などを「深く」知るには物足りないともいえるが、
ざっくりとしかし的確に全体が把握できるという点では、良書である。
揚げ足を取ると「表面的」とも言えなくはない。しかし、決して薄っぺらい内容ではない。
新書220ページ。十分に読む価値はあるだろう。