Live in San Francisco [DVD] [Import]
Joe Satrianiという人は、かなりの親日家です。
なにせ京都のライヴ・ハウスでジミ・ヘンのコピー・バンドを
やっていた程ですから。日本人としては、やはり嬉しい
エピソードの一つとして記憶しておき、彼を積極的に応援して
いきたいものです。このDVDも国内のプレーヤーでも再生できる
リージョン・フリーですし、有難い事です。
このライヴは2000年12月にサンフランシスコにある
伝説のホール「フィルモア」で収録されたものです。あまりの
出来の良さに先にCDで発売されました。勿論購入しましたが、
映像で観るとこのライヴの出来の良さに納得しました。
選曲自体はSummer Song、Surfing With The Alien、Satch Boogie、
Flying In A Blue Dream、Always With Me, Always With Youと
ファンにはお馴染みのベストの選曲になってます。私自身は特に
Time、Cool #9、House Full Of Bulletsという比較的新しい曲に
注目してます。Timeはクリスタル・プラネットの14曲目に収録
されてますが、5分強の中に起承転結を見事に表現している
素晴らしい曲と思います。アーム、ワウワウペダル踏みまくり、
ノー・ピッキングによるハンマリング&プリング、彼独特の
ピッキングも存分に確認できるこのライヴDVDがこの低価格で
手に入るのはとても嬉しい事です。ギター好きは必見です。
Surfing With the Alien
ロックインストといえば、(ジェフ・ベックは別格として)ジョー・サトリアーニがパイオニアなのではないか?それ以前にこのようなロックインストが認知されていたのだろうか?
それぐらいこのアルバムはその当時、話題になったと記憶している。
数あるジョー・サトリアーニのアルバムでこのアルバムは出世作であると同時に最高傑作に当たると思う。(つまりこれ以降のアルバムがこのアルバム以上のものを出せなかったという意味)
本アルバムが出た当時、私は中学生で、周りの友人が邦楽のBOOWYなどに熱中していた中、一人私はギター片手に懸命に(4曲目の)「always with me, always with you」を耳コピしていた気がする。(そういう意味で忘れられない青春の1ページがこのアルバムには凝縮されている。)
一曲目の「surfing with the alian」から最後の「Echo」まで、全速力で駆け抜ける爽快感がある。
アルバム前半の5曲目までは、ロックブギー的な楽曲が続き、6曲目以降は一つの流れを持ったコンセプトアルバムのような楽曲が続く。(昔はレコードだったからアーティストもA面、B面を意識して楽曲の配置をよく考えていたと思う。それがCDになったことで大きく「アルバム作り」という考え方を変えたと思う。)
さて楽曲の解説だが、やはりすばらしいのは「Crushing day」「Always with me, always with you」「Midnight」そして「Echo」である。特に言いたいのは「Midnight」から「Echo」へ繋がる流れである。「Midnight」でタッピングを用いた美しい旋律(これはすばらしいアイデアが凝縮されている。)が終わると間髪を入れずに、5拍子の「Echo」の切ないテーマへと続く。この曲で終わることでリスナーはいやおうなくアルバムが終焉を迎えることを意識させられる。この余韻がたまらなく好きだね。(いやーすばらしい流れだな、これが「アルバム」ってものだよ。)
このアルバムは全曲、(打ち込みのドラム以外)ジョー・サトリアーニ一人で演奏されているので、彼のすべて納得のいく形で収録されている。一つ残念なのは、その「打ち込み」のドラム。その当時はわからなかったが、色々「音楽経験値」を積んだ今、聞きなおすとその機械的なリズムの「平坦さ」が目立って聞こえます。
最後にジョーサトリアーニのキャリアについて一言:よく彼の経歴紹介の中に「クールジャズの父:レニー・トリスターノに師事した経験を持ち、ジャズを学んだ」的なことが書いてあるが、彼の演奏を聴くと「一片も」その影響は感じられない。というか、たぶんジャズをよく知らないし、できない。(ジャズ愛好家の私が言うのだから本当だよ。)でもいいんです。それはこのアルバムのすばらしさにまったく関係ありません。
また彼の弟子に(メタリカの)カーク・ハメットやスティーブ・ヴァイがいるが、はっきり言うとギターのテクニック(そのコントロールのすばらしさ)は残念ながらスティーブ・ヴァイに軍配が上がる。
まあ、それはいい。しつこいがこのアルバムのすばらしさに何の影響もない。
G3 Live in Concert [DVD] [Import]
邦盤が出ないかなあとずっと思っていたのだが、最近になってこれがリージョンフリーだと気が付いた。やれやれ。
すごいギタリストといってもいろんな人がいるもんだ。
ヴァイのショウアップは見事だ。たった3曲でもすっかりペースにはまる。難しいフレーズも軽やかに実に楽しそうに弾いてみせる。こんな表情で弾くフレーズじゃないと思うけど。
一方ジョンソンのステージは地味だ。何の飾りもないが音は繊細で美しく、テクニックは素晴らしい。彼はしっかりギターを見ながら弾くので、顔でなく頭のてっぺんが見える。初めて見ると驚く。(私はふらふら弾くジミー・ぺイジを初めて見た時の事を思い出した。)彼のライブ映像というだけで貴重なのだが、顔を上げてにこっとする場面がうれしい。(実に貴重な映像。)
サトリアーニは貫禄がある。参加ミュージシャンのバンドマスターといった風格。味わい深い職人芸を聞かせる。
それぞれのステージはもちろんだがここならではの共演が楽しい。
左右と中央に音が分けられているので、それぞれ違ったアプローチを聞き比べるといい。リードよりむしろバックに回ったときに何を弾いてるかがおもしろい。
そうそう、首からパスを下げ普段着のままふらりとやってきて歌うマイク・ケネリーもいい。このあと私は彼のCDを買った。
Black Swans & Wormhole Wizards
2010年、Joe Satrianiのアルバムです。(全曲インスト)
レコーディング・メンバーは、
Joe Satriani (G, B, Key), Jeff Campitelli (Dr), Allen Whitman (B), Mike Keneally (Key) です。
今回の特長は、他レビューにもあるとおり、「分かりやすい」です。
ギターインストというジャンルの特性上、バンドもリスナーも、毎度毎度のメンツになりがちなのですが、
CHICKENFOOTでの活動が、いい意味で刺激になったのでは?と思います。
「分かりやすい」とも言えますし、「(リスナーへの)コミュニケーションが上手い」という印象もあります。
一方で、従来どおり「奥深い」です。
「分かりやすい & 奥深い」というのは、簡単に言えば、「奥深いところへ、スムーズに進める感じ」です。
例えば、「入り口が大きくて通路が広い、巨大建築物」「交通網の発達した、大都市」といった印象です。
私は、聴くたび or 聴くときの気分によって、好きな曲がコロコロ変わります。
で、最後に、KeyのMike Keneally!
フュージョン風(3のAメロ, 8)、ソウル風(6)、クラシック風(3のサビ、私的にはヴィヴァルディの「春」風?)、
プログレ風(9、メロトロンみたい)、アンビエント風(10)、 etc、多彩なKeyワークで、楽曲を魅せてくれます。
個人的には、HR風な(1)(4)、プログレっぽい感じのする(3)(10)、ブルージーな歌メロをギターで弾いたような(6)、
泣き叫ぶようなギターが聴ける(11) etcを、気に入っています。
「Joe Satrianiファン」「ギターインスト・ファン」に、オススメです。
特に、「しばらくご無沙汰な、Satrianiファン」にオススメしたいです。
また、今回は聴きやすいので「Joe Satriani初心者」にも、是非、試してもらいたいです。(できれば、ベスト盤もいっしょに)
(参考)
日本盤は、ボーナストラック2曲「Heartbeats」「Longing」収録。
2曲とも、インスト曲・スタジオ録音で、アルバム本編クオリティです。
ロック・ギター免許皆伝 (Cherry Lane Music Series)
一生懸命ギターを弾きたいと考えている
初心者〜中級車向けです。
全くの初心者はきついと思いますが、
サトリアーニ\ヴァイ好きなら
まあ、止めません(笑
以下の2点が中心になってると思います。
・音を知ること
・演奏できるようになること
今手元にないのですが、
あまり厳密な理論なしに、
音について感覚を研ぎ澄ませて行くような
エキササイズが多かったように思います。
また、演奏については中級程度(場合によっては上級も)
の演奏力を身につけるエキササイズが載っています。
ただし、厳密な音楽理論や演奏方法についての
本ではないので、仮に独学する場合は、
この本だけではきついと思います。
サトリアーニの音楽世界を
自分でも体験するため、、、という感じで
気軽に読んだり、練習するといいと思います。
(ところどころ、ハードなエキササイズもありますが、、)