サッカー バルセロナ戦術アナライズ 最強チームのセオリーを読み解く
感心した。バルセロナというチームをここまで分析し,語りつくしたことに。現在,最強のクラブチーム,バルセロナ。バルサは典型的なボールポゼッションサッカーをする。このサッカースタイルは,70%近くボールを支配できれば,80%の試合には勝てるという考えに基づく。
クライフの時代にバルサの基礎は作られた。クライフが採用したシステムは3−4−3(ザッケローニの3−4−3にあらず)。非常に攻撃的な陣形である。攻撃は最大の防御。それがクライフの考え方だったのだ。チャビやイニエスタなど,バルサにはワンタッチでプレーできる選手がたくさんいる。それがバルサのサッカーの生命線でもある。バルサは単なるポゼッションサッカーをしているのではない。ゴールを決める方法論をしっかりと持っているのだ。日本代表も大いに見習うべきところではある。
バルサのサッカーのコンセプトは「数的優位を作る」「ボールポゼッションの時間が多いほうが勝ちやすい」である。この本を読んでみると,バルサのゲームの進め方は非常に緻密で数学的である。私は文系だが,バルサのサッカーには美しさと魅力を感じる。サッカーがここまで論理的なものだとは思わなかった。
バルサのサッカーはひとつひとつのプレーがよく考えられていて,惰性でプレーしたりその場しのぎでパスを出すことはほとんどないようだ。本当に理詰めなのである。著者は,それを「チェスを思わせる」と表現している。しかし,同じパスサッカーではあるが,このサッカーを日本代表が取り入れるのは簡単ではないだろう。確かに,日本の選手には技術があるし,スピードも備えている。しかし,バルサでは下部組織の小学生時代から考えてプレーすることが求められる。日本代表がバルサのようなプレーをしたければ,やはり同じように小学生の指導から変えていかなくてはならないだろう。
やっていても見ていても面白いサッカー,そんなサッカーがもちろん理想である。そのようなサッカーを日本に根付かせるひとつのきっかけとして,この本の試みは有効といえるだろう。この本を一人でも多くのサッカー関係者が読み,日本独自のサッカーを作っていくヒントになってくれることを願う。
フットボールサミット第4回 カズはなぜ愛されるのか? ―いままで語られなかった「三浦知良」論―
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昔からサッカーはそこそこ興味あり
Jリーグ発足時のブームのときもそこそこ熱中したものの
以前は正直カズにはさほど好印象はもってませんでした。
何のスポーツ観るにしてもそうなのですが
いぶし銀的な黙々と縁の下の力持ち的な
働きをするタイプの選手が好きだったからです。
派手好きでパフォーマンスも派手なカズは
パッと見ただけでは真逆でした。
カズに対する見方が劇的に変わったのは
去年の東日本大震災後の、カズが日経新聞に寄せたコメントです。
サッカー人として、と題されたこのコメント
もしまだご覧になってらっしゃらない方がいれば
ぜひ読んでほしいと思います。
http://www.nikkei.com/sports/column/article/g=96958A9C9381969AE0E6E2E2828DE0E6E2E1E0E2E3E3EBE5E29FE2E2;p=9694E3E0E2E6E0E2E3E2EAEAE2E2
この大災害に際して、様々な著名人がコメントを発しましたが
カズのこのコメントほど胸をうたれたものはありませんでした。
難しい言い回しや修辞などもないし
小学生の国語の教科書に是非載せてほしいくらいの
大変な名文だと思いました。
被災者でもないのに今読んでもなぜか泣けてきそうになります。
そしてカズがなぜこれだけ
心を打つ言葉を発することができるのか
この本を読んで少し垣間見えた気がしました。
かつてブラジルで所属したクラブの会長や
宿敵韓国の選手からみたカズ、など
様々な立場の人のカズについてのコメントが集められたこの本
カズに少しでも興味のある方には
是非読んでもらいたいと思います。
レッド・ソングス ~ベスト・ソングス・コレクション
中学3年から高校1年にかけて聴いていた。言ってみればわかり易すぎるほどにわかり易すぎるストーンズタイプのバッドボーイズロック(笑)で、キヨシローにはあったフォーク的な含蓄も無いし、余りにもガキっぽいので、大学生になると自然と聴かなくなった。
90年代に入り、バンドブームが突然終焉するとともに、時代の流れも明確に変わったような気もした。
渋谷系とかネオアコとかマンチェスターの連中とかストーンズタイプに収まらない流れを意識しだしたことももちろん関係ある。
化粧も恥ずかしいし、悪ぶるのももう沢山という時代がやってきた。
こちらも音楽以外のジャンルも含めて他にも色々知識が増えて、趣味や価値観が多様化したというのもあるしね。
40も近づいてきた今、例えばロイヤルストレートフラッシュロックンロールを大音量で聴いて恥ずかしくないかといえば恥ずかしいのは否めない。
ただ、あるキッカケがあって聴き直したところ、案外に良くて懐かしかった。
ロックの型の一つがここにあるとともに、あの頃確かに感じた若さのほとばしりのようなものを感じた。
その後色々観念的なゴタクやら文学的知識やら大学で学んだ専門的知識やらで汚染される前のむき出しのロックのパワーってのは自分にとってストーンズや日本ではこのあたりのバンドにあることはこの年になると否定できないなあ、と。
当時、来日したストーンズはリアルタイムでは全盛期が過ぎていたので、自分にとってはレッズやスライダーズやブルーハーツなど、80年代後半に活躍したこの辺りのバンドなのだなあと。
今でも中高生向けのバンドであるという印象は拭えないし、最近の日本の音楽シーンは全く知らないが、これに相当するようなバンドないしグループは今でもあり、若い子たちは夢中なのだろう。
しかし、ある種の懐かしさとともにレッドウォーリアーズは今も僕らの中に生きていて、もう忘れかけていた原点を形作っていることはこのベストセレクションで存分に確認できました。