Now Is the Time
アルバムジャケットのように混雑していない夜の高速道路を自分がゆるい運転で走っているようだ。そしてカーステレオから流れる心地よいサウンドが自分を柔らかくしてくれている。16ビートにのりながら見事なスティックさばきで奏でる乾いたドラムのシンバル音、ベースのミュートタイミングでとエレピやピアノが浮き出てくる。そして包み込むような管楽器であるフリューゲルやサックスの息づかい・・・これは間違いなく大人のスムースジャズ。そして若い男子、女子に是非、背伸びをして聞いていただきたい1枚だ。このスリリングでありメロディアスなJeffの演奏はバツグンな演奏技術と思いにある。それをおごることなくリスナーにより解りやすく、受け入れやすくしてくれている。僕の音楽は決して難しい音楽じゃなくて心地よく楽しめるものなんだと・・近年、電子音源だらけで楽器やミュージシャンがイメージできないアルバムが多い中、個々の音とプレイの存在感がハッキリ打ち出されていて何の迷いも無く引きずり込まれていく、そしてJeff はホストとしてリスナーを心地の良いベストポジションにエスコートした。「これがミュージシャンなんだよ」と襟を正してくれているような気さえする。このアルバムで更にすばらしいのが「音」である。参加ミュージシャンも半端ナイがプレイのリアリティーが伝わってくるこのサウンドと特にミックスバランス。ボトムとハモモノ、メロモノのバランスの極めが見事である。これは他のアルバムではなかなか味わえないすばらしいエンジニアリングだ。この「Now Is the Time」をグラミー賞のノミネートアルバムにする高い音楽水準を持つ国のように、この日本でもこんなに良質な音楽がラジオやストリートにガンガン流れる日がいつか来ることを信じたい。
プライヴェイト・パッション
ご案内させていただきます。完全にブラコンミュージックにどっぷりつかっていた時期のジェフローバー。この人物はフィラデルフィア出身なので、黒人音楽大好き人間(このへんはダリルホールに酷似ポイント)。売れる前のエリックベネーなどもプロデュースしてた。
でこのアルバムは他人様のボーカル技量を見事にショーケースさせたものでそのシンガーとはカリンホワイト&マイケルジェフリーズ(どちらも中堅シンガーでメジャーではないところがポイント)。
もともとシンセサイザーを多用したファンクは黒人の専売特許だったが=たとえばコモドアーズ=このジェフローバーはザ システム的なコンセプトでせめてきたわけだ。
インストものとブラコンものに大別できるが。どの楽曲も魅力にとぼしく残念。プロフェッショナルなお仕事に違いはないだろうが、大事な何か=それは深いソウル=を忘れてしまったようだ。洗練しすぎた弊害が大きく出てしまった。ジョージハワード、バジーフェイトンが参加しているが生かしきれず。
デジタルシンセサイザーという機械に使われてしまっているかわいそうなジェフローバーがここに。テクノロジーはいいから感動をもっと生み出せよおおおおおおっと。(5点)
ライヴ・アット・モントルー 1996 [DVD]
リッチーのいないパープルをパープル呼ぶかどうかは別として、モーズ以外は全員メタボ&年とってしまったな〜。ギランはシャウト以前に声が全くでてないし、手をぶらぶらするだけのパフォーマンスだし・・モーズが可哀そうに見えてしまった。そこら辺にいるポップスバンド&まったりとしたパープルが堪能できます。
ギャラクシー
新生JLFのセカンド・アルバム、2011年最新作。ローバーとJ.ハスリップの共同プロデュース。ローバー、ハスリップ、E.マリエンサル以外の参加ミュージシャンは、V.カリウタ(スピード感のある巧みなハイハットの刻みと、変幻自在のテクニカルなプレイが最高)、L.カストロ(躍動感のあるパーカッション・プレイが◎)と、ホーンアレンジ&パフォーマンスで、デヴィッド・マン(彼のアレンジはなかなか秀逸)、以上がコアメンバー。他、ギターでラリー・クーンズがジャジーなプレイを披露している他、R.ブレッカー、D.ウェックル、P.ジャクソンJr.等お馴染みのメンバーが参加。 中身は、スピード感抜群でグイグイと飛ばす曲が目白押しです。スローナンバーと、ボーカルの絡む曲は珍しく一切無し。 また、旧作からのセルフカバーが4曲もあり、#6や#10など知られた曲のカバーは聴き物です。#11はブランクからの復帰作である、"WORTH WAITING FOR"('93)からのカバーというのが、意外。 前作と比べると、よりアグレッシブに、前へ突き進むようなタイプの曲や(シンセベースのリズムを効果的に使い、ローバーのソロ・パートをたっぷり披露する#1や、ミニムーグのベースラインが気持ちイイ#3などに顕著)躍動感溢れる曲が多く、彼の一連のソロ作と比べても、また少し違う発見があり、個人的に嬉しい作品です。