二十世紀の10大ピアニスト
ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン
アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド (幻冬舎新書)
20世紀を代表し、すでにその生涯が完結し、録音が残っている10名のクラシック・ピアニストを選び、彼らの劇的な人生を編年体で追いつつ、2つの世界大戦、絶対主義国家・共産主義国家の盛衰、技術・産業(特にレコード)の革新を経験した激動の20世紀を描いた1大歴史絵巻と捉えるべき力作(約450頁)。
20世紀開幕の時点ですでに在世していたラフマニノフ等の19世紀の活動から叙述を始め、1997年のリヒテルの死をもって筆をおく。
10人の生涯の波乱万丈の程度、資料の量に違いがあるので、頁数的に言えば、ラフマニノフ、ルービンシュタイン、ホロヴィッツの3人が主役、ショスタコーヴィチ、リヒテル、グールドが準主役、次いでコルトー、シュナーベルになるだろうか。バックハウスとアラウの影は薄い。
ロシア出身のピアニストが多いが、ロシアの苛酷な20世紀が彼らを鍛えたという側面を無視できないからだろう。
時代が象徴する何か大きなもの(例えば政治、思想信条)に対して自己の信念を曲げなかった者が「巨匠」たり得たことがわかる。翻って、21世紀はどうだろうか。
ルービンシュタイン、ホロヴィッツのロシアとドイツに対する彼らなりの和解、ルービンシュタインとグールドの対談等の諸エピソードが興味深い。
現役のピアニストが多い「世界最高のピアニスト」と併読すれば、クラシック・ピアノのアルバムから何を聴くべきかがはっきりするだろう。
モーツァルト:2台と四手のためのピアノ作品集
他のピアニスト達の演奏と比べると、やはりアルゲリッチの個性的な演奏になっていることは否めないだろう。それを良しとするかどうかは、個人の好みに依存するのではないだろうか。しかし、何を弾いても個性を出し、連弾でも個性を出し、必ず他人に自分を印象付けることのできるアルゲリッチは、やはり生まれついての芸術家なんだろうね。
debut
“なんて軽やかな演奏なんだろう”、ショパンの『英雄』を聴いての第一印象だった。これまで同じ作品を何人かの演奏家で聴いてはきたものの、正直な所それほどの名盤とは思うことが出来なかった。無論、中にはホロヴィッツの来日演奏での名演はあるが他は余り違いが無かったように感じていた。けれどもこのアーティストの演奏を耳にして印象的だったのはキラキラと光る音の燦めきそのものである。ショパンがイメージした英雄の姿を彼は1人の若者の姿としてイメージしているような感がある。天は二物を与えずとはいうが、光のない世界に生きているから余計に光の持つ明るさや暖かさをイメージとして表現できる。それは豊かな想像力という天賦の才のみがもたらしうる奇跡であろう。オリジナルの作品もそうした裏付けがあってもたらされている。ジャケットに映る彼の横顔に可愛らしい笑顔がある点もうれしい。そこからは音楽に出逢うことの歓びを感じる。豊かな才能の持ち主の未来に期待するところ大である。
Rachmaninoff: Piano Concertos Nos. 1, 2, and 3 in Full Score (Piano Concertos, 2 & 3)
安いですね。練習番号はありますが、小節番号はありません。ただカットもありませんので、これで十分ではないかと思います。ブージー社以外ではこの楽譜しかないのが実情でしょう。
A4版より少し大きいくらいで、ピアノパートもオケパートと同じ音符サイズになっているので、ぱっと見た感じピアノは音符の洪水なのですが(笑)、意外に読みやすくCDなどを聴きながら見るのに適しています。なお、ピアノ協奏曲第3番のカデンツァは通常のものだけでなく、いわゆる大カデンツァ(ossia.)も収録されていますので、ご安心ください。
もっとも演奏頻度の高いピアノ協奏曲第2番については、同じDoverからミニチュア版スコアも出ています。1000円を切るくらいの価格ですので、2番のみを探している方はそちらでも用は足りるでしょう。
ベスト・オブ・カラヤンの遺産 [DVD]
カラヤンのDVDシリーズのカタログのような商品ですが、メーカーさんも考えましたね!
何とこれだけ入ってこの価格!演奏もライブ中心のため後になるほど、画面も綺麗になります。
よくある「さわり」だけを収録した「ベスト100」みたいな商品を造るメーカーさん、見習いましょう。
全曲とも完全収録です!
クラシック食わず嫌いの人にも購入をお勧めします。演奏も乱れ無く、標準以上です。