ベスト・アメリカン・ミステリ クラック・コカイン・ダイエット (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1807)
文庫本ではなくペーパーバックサイズというニクイこだわりのハヤカワポケットミステリー、もうそれを手にするだけで米国文学の空気に浸るような気分になってしまうのは僕だけだろうか。しかもその本のタイトルがクラック・コカイン・ダイエットとくれば、とにかく読んでおかなければいつまでも頭の片隅に残ってしまっただろう、あれはどんな本なのかなあと。さて内容はベストアメリカンという大看板どうりの秀逸な作品がずらりと並んでどれもが素晴らしい輝きを放ちまるで宝石箱のよう。ページをめくる度に映画のワンシーンのようなイメージを喚起させてくれ、映画にしたら面白いかも…と何度も思わせてくれる。どれが一番なんて愚問かもしれない、この本がすでに一つの文学作品として完成しているのだから。