アルゲリッチ&フレンズ [DVD]
1982年、Live-Aufnahme aus dem Jahreでのライヴ映像。リージョン・コード0。正に心技体に充実したマルタ・アルゲリッチの演奏を収めた貴重なDVDである。彼女の運指も見事に捉えている。
標題通り『アルゲリッチ&フレンズ』な内容で、出てくる演奏者が皆、非常にリラックスしているのが分かる。特に、ミッシャ・マイスキーはジーンズにトレーナーのような組み合わせで演奏していて、いつものイッセイ・ミヤケのオシャレなコスチュームではない。ただし、演奏は実に素晴らしい。『シューマン:幻想小曲集 Op.73』は二人の息もピッタリである。
ピアノの連弾も面白い。モーツアルトの方は、アルゲリッチが左、ニコラス・エコノムが右に位置して弾いているのだが実に愉しそうである。また、ネルソン・フレイレとはピアノ二台による演奏でアルゲリッチが左、フレイレが右で演奏している。これも迫力ある素晴らしい内容だ。アルゲリッチ・ファンの方は見逃せない傑作だと思う。
小澤征爾 / マルタ・アルゲリッチ [DVD]
オザワとアルゲリッチの掛け合いが素晴らしいです。
アルゲリッチの力強く魅力的な響きと、小澤征爾のアンサンブルに込められた哲学が絶妙に融合し、トータルとして、大変素晴らしい音楽が作り上げられています。是非一度聞いて見て下さい。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
この演奏(ラフマニノフ)については、「賛否両論」あるようだが、ぼくはこのアルゲリッチ盤を凌駕する演奏は、今後不可能ではないかと思っている。
アシュケナージ/オーマンディも良いが、なにか+αが欲しく物足りない・・
片やホロヴィッツでは、確かに打鍵は凄いが、音色がどうも「下品」に聴こえてしまう・・ぼくだけだろうか・・・
そうなると、現代最高のピアニストであるアルゲリッチより他に無いのである。
実際繰り返し聴いてしまうのもこのアルゲリッチ盤なのである。
女王アルゲリッチを凌駕するピアニスト(演奏)が、今後現れることを期待したい。
ただ録音は、ライヴだけあってあまり良くないのが難点。
マルタアルゲリッチ 子供と魔法
【エンターテイメントとして】
読み始めると止まりません。一気に読んでしまいます(上質な小説みたいです)。平易な文章でありながら、
原文のウイットを感じます。ショパンコンクールまでにページの半分を費やしています。確かに少女マルタが
いかにして「マルタ・アルゲリッチ」となったか、それが読者の、また著者の関心事でしょうから。
【天才たち】
彼女がピアニストになっていく過程は、天才たちとの交流の履歴です(それ以外あり得ないでしょうねえ)。
本書には夥しい数の天才たちが登場します。天才とはどんな人たちか?
- -自分の天才を御するだけの飛び抜けた知性と、少しの偶然を持った人。それがアルゲリッチを初め、本書
に登場する人々です。読みながら、彼らも私たちと同じような幸せと不幸を、喜びと苦悩を生きていることに
ホッとします。
また、最大の友人(というか'お師匠様でしょうか)のグルダとの交友は実に心温まります。彼がいなければ
アルゲリッチは別のアルゲリッチになっていたでしょう。
【読書と音楽】
登場人物とその描写は、当然ながら音楽家と音楽活動に関わった描写です。
本書は、読者の音楽知識の多寡にかかわらず、読んで面白い本だと思います。そして、知識が多ければ多い
ほど、みあうだけのものを汲み取れる本だと思いました。