とりったー (リュウコミックス)
とり・みきは自動的に新刊を購入する作家だったが
最近そもそも新刊を見かけないな、と思っていたところへ
この本。うん。時事ネタは好きだ。でもこの料理はどうか。
震災が重なったことも掲載誌が消えたことも
不運とは思うが、半端に思える。
だが次も買う。賽銭代わりだ。
クレープを二度食えば(リュウコミックス)
雑誌の上で交換日記?をするとりから往復書簡 (1) (リュウコミックス)(最終話はtwitter上でリアルタイムにやりとりしていた)や
SF+ギャグ+ハードボイルド・の冷食捜査官(1) (モーニングKC)など、著者の振り幅はとても広い。
その中で「叙情SF」としてくくられるであろう中短編の集大成である一冊。
表題作は某ライトノベルに出てくる図書委員が選ぶ100冊の中に選ばれているらしい(評者は読んでいない)。
タイトルだけからは分かりにくいがタイムトラベルもの。
そこに「青春」「恋愛」というスパイスがふりかけられている。
心の琴線に触れる要素満載、である。同年代(中学生)で読めばなおさらの事。
もともと時間SFや恋愛/叙情SFは日本ではウケがよい。
そして、中学生や高校生が手に取りやすい文庫にも収録されていた。
かつての集英社コバルト文庫などでは、これらのテーマでオリジナルアンソロジーが出されていた。
近年では大森望による不思議の扉 時をかける恋 (角川文庫)など<不思議の扉>3冊が
この系列にあたるだろう。
こうしたアンソロジーに入っていても遜色のない表題作。
かつて甘酸っぱい青春を送った(送りたかった)世代に。
そして、現在まっただ中である世代に。
受け継がれていって欲しい一冊である。
表題作の主人公<カジシン>は、おそらく筆者と同郷の作家である梶尾真治からのネーミング。
同氏の美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇 (ハヤカワ文庫JA)などもおススメ。
THE IDOLM@STER BEST ALBUM 〜MASTER OF MASTER〜
アイドルマスター関係のCDはピンからキリまでたくさん出ていますが、ベスト版という位置付けのものはこれが初になります。
その名のとおり広く浅くいろいろなところから一通り聞いて回れるような構成です。
初めての人には勿論、既存のユーザーの方にも新録があるのでおススメできます。
以下は個人的な感想。
中の人のスケジュールの関係か製作者側の判断かはわかりませんが、かなり千早成分の濃い内容だな、と思います。ソロがあるのは春香と千早(小鳥さんもですがこれはMAの専用曲なので除外)ぐらいですし、他の曲にもかなり積極的に参加しています。
千早好きな方には間違いなくおススメできる内容でしょう。
それと、Do-daiの「特徴〜」やshinysmileのAメロで「ここは春香だろ!」と思った人にもおススメできますよ。
冷食捜査官(1) (モーニングKC)
計算された世界観とストーリーとギャグ。
ここまで自然にミックスして読ませる、とりさんは凄いです。
元祖おたくともいえる実父により英才教育をうけ、SFと古典漫画と神様以降の漫画を、
自らの才で昇華したその作風の究極のひとつになるでしょう。
ああこの人の作品にであって良かったと今回も感じました。
WXIII 機動警察パトレイバー [Blu-ray]
この作品が公開された当時(というか、劇場ではなくレンタル。それもVHSで観たんですが)は、大して面白いとは感じませんでした。
2時間近く観て、特に何も残らなかったいうか。
ですが、改めて観てみると、これが実に面白い。
映像的なクオリティも高く、背景の描きこみ一つとっても、とても2002年に公開された作品とは思えないレベル。
観ている側のほうが「これ、いくら製作費かけたんだ」と怖くなってしまうほどです。
媒体がブルーレイになって画質が向上している部分もあるんでしょうが、今年公開されたアニメと言われても信じてしまいそうです。
何故、同じ作品に対する自分の評価が、過去と現在でこうも違ってしまうのかというと…。
当時の自分は、もっと特車二課の面々を前面に押しだした群像劇を求めていたからかもしれません。
観たといっても、単に画面を眺めていただけで、本当は観ていなかったというか。
正直、同時上映されたミニパトのほうが、よほど楽しめた記憶がありますから。
ブルーレイ化されなければ観なおす事もなく、「1と2は好きだけど、3は外れだったな」という印象も変わらなかったと思います。
もちろん、つまるつまらないは、個人の趣味や感覚による部分も大きいですけど。
他の方が面白いと言っても、自分でつまらないと感じればそれだけの事ですから。
確かに、ゆうきまさみ氏の漫画版をメインにしたwxiiiも観てみたいという気持ちもあります。
そうしておけば、ファンの評価はもっと高かったでしょう。
ですが、個人的には「これもありだな。観て良かったな」という感想に落ち着きました。