クリスマス
今から20年以上前、FMラジオでこのCDの最後の曲「メリー・リトル・クリスマス」を聞いてこのレコード(当時はCDが無かった!)の存在を知りましたが、実際に入手するには8年以上かかりました。シンガーズ・アンリミテッドの「アカペラ」シリーズも素晴らしいですが、このCDの最後の曲「メリー・リトル・クリスマス」も彼らの最高傑作の一つです!
In Tune (Reis)
1971年に録音されたアルバムです。レビュー者は「The Oscar Peterson Trioが演奏しているから」と本アルバムを入手し、それがきっかけでThe Singers Unlimitedを聴くようになりました。The Singers UnlimitedがMPSで録音を開始するきっかけをつくったのはPetersonといわれます。Petersonのピアノはぐいぐい演奏するスタイルですので、相対的にThe Singers Unlimitedが一歩ひいた感じを受けるアレンジとなっています。しかし、このことが逆に本アルバムの魅力を産み出していると思います。
"Sesami Street"はNHK教育でおなじみの同名の番組のテーマソングで、ピーターソンの歯切れのよいピアノにのってぐいぐい聞かせてくれます。それに続くスローバラードの"It Never Entered My Mind"、ボサノバの2曲"Children's Game"(Jobim)と"The Gentle Rain"(Bonfa)、そして私の好きな"A Child Is Born"(T.Jones)と続いていきます。"The Shadow Of Your Smile"はピーターソンの演奏とともに心に直接ひびいてくるように感じる曲です。残りの曲のコメントは省略しますがいずれも高い完成度をもち、The Singers Unlimitedのアルバムの中で1番か、2番といえる素晴らしいアルバムだと思います。
Christmas Singers Unlimited
毎年12月になると思い出し、店を巡るけど見つからない…というのを何年も繰り返し、たまたまオフシーズン(3月)に思い出して購入。喜んでプレーヤにかけたら「今どきそんなものかけないで!」と家人からきつ~い一言。などという個人的な思い出話はさておき…
リリースから30年も経ってしまったのに全く色あせることのない粋なアレンジと美しいハーモニーには脱帽。4人しかいないのに、この豊穣な響きと多彩さは見事としか言いようがない。まさにアカペラの理想型が聴けるアルバムだ。美しく整っているけれど堅苦しい歌唱ではなく、ノリがよくてリラックスしているし、時にお茶目な一面ものぞかせる。
曲目はすべてが有名曲というわけではないが、聴いているうちに好きになれるからご心配なく。それより、いったん聴いてしまうとはずせないアイテムになってしまうのが心配(?)。
Complete a Capella Sessions
このグループのことを、最近までしらなかった自分が恥ずかしいと思うほど、素晴らしいアカペラを聴かせてくれるグループです。最初聴いたときは、マンハッタン・トランスファーかと思いました。
このCDの録音は、1971年と、1975年、そして1980年に行われています。当時としては、かなり珍しい、スタジオによる多重録音により仕上げられているため、録音によってしか、創ることができないため、彼らのライブは、一切行われていません。
アカペラという領域を確立したといってもいいグループでしょう。
収録曲目も、有名な曲ばかりで、とても親しみやすい作品です。
このグループに影響を受けて、山下達郎は、自分の声を多重録音する手法を多くのALBUMで取り入れるようになったとか。
いま、私は、このアルバムに出会えて、とても幸せな気持ちに満たされています。こんなステキな音楽があったのかと。しかも、私の生まれる前から、こんなに素晴らしい音楽を作っていた人たちがいた事に、感激しました。
全部で38曲も入った、豪華な作品です。
音楽、そして、人間の声のすばらしさを感じることができる、ステキなアルバムです。