ティファニーで朝食を
村上春樹の翻訳という点にひかれて、初めてこの本を読んだ。
村上氏の翻訳は、相変らず淡々とした味わいで、過不足の無い感触だ。
映画も小さい時に一度見たきりでほとんど記憶に無い状態だった。
この小説を通じて、ホリデー・ゴライトリーはとても魅力的に描かれていて、楽しい読書だった。
女の子に振り回されるのが大好きな人には、とても楽しく読むことができるはずだ。
この本には、その他に3編入っている。
個人的には、最後に入っているクリスマスの思い出が、読後感がある短編でよかった。
自分が再び読み返すかは、今のところはわからない。
しかし、人には勧められる本なので、星は4つ。
ティファニーで朝食を [DVD]
この映画は昔から大好きで、原作は数年前に初めて読みました。
ラストや同じアパートに住む作家=ポールの設定など、大幅に脚色されていて、主題も異なっています。
映画とは異なり、作家とホリーの恋愛関係はありません。
原作者のT・カポーティーが、ホリー役をM・モンローに演じさせたかった、キャスティングを知り、本作を観て驚愕したエピソードについては、原作を読んで納得しました。
原作者T・カポーティーを描いた映画「カポーティー」を鑑賞後に気付いたのは、当時のNYのある一部の層の退廃的なパーティーや生活が、本作にも描かれている点です。
原作と大きく異なっている点や、同じアパートに住む日本人の描き方に差別的な要素が含まれている点を差し引いても、私にとっては色あせない作品でした。
大物ミュージシャンの小田さんが、音楽の道を目指したのは、劇中の「ムーン・リバー」を聴いたことがきっかけとのこと。
私も「ムーン・リバー」のメロディーの1節が流れるだけで、涙がこみあげてくるような大好きな曲です。ティファニー宝石店、ジバンシーの名を知ったのもこの映画がきっかけでした。
ホリーが、愛情よりも経済的に豊かになることだけを目指す動機が、映画の中盤で描かれていますが、その一連のシーンとラスト・シーンは、何度観ても泣いてしまいます。
この映画の中で重要な鍵となるのは「猫」で、ホリーの生き方を象徴していると思いました。ある本を読んでから気付かされたのですが、ホリーが履くハイヒールは「仔猫靴」と呼ばれるデザインで、ホリーとポールが[10セント・ストア]でかぶるお面は、それぞれ「猫と犬」でした。
ホリーとは対照的な生き方をしているポールは、裕福な女性に囲われる「犬」の生き方なのかもしれません。
ホリーと暮らす茶トラの猫は、本作公開後アメリカで飼うことが大流行したそうです。劇中の猫も名演でした。
映画のファーストシーン、NYの朝もやの中オードリーが着たジバンシーの黒のドレスとティファニー、雨のラストシーンは今でも忘れられません。
映像特典はオリジナル劇場予告編。英・日字幕選択、英・日吹替え音声選択可能。
Breakfast at Tiffany's (Penguin Modern Classics)
映画と違うものだと思った。確かに村上春樹が言うようにカポーティの書く文章は
洗練された簡潔で的確な表現である。
同じアパートに住む友達としてFredが描くHolly Golightlyの性格と心理深層が見事に
表現されている。
A Chistmas Memory
7歳の少年と年の離れた従姉との甘く切ない関係を描いている。
毎年クリスマスを待つ二人は友達の関係である。
最後は自然と涙が出てしまった。
その他2編の短編も心あたたまる作品である。
「ティファニーで朝食を」オリジナル・サウンドトラック(紙ジャケット仕様)
「月」のつく曲にやたらと名曲が多いのは何故でしょう。月は狼の本能だけでなくアーティストの感性・イマジネ-ションをも刺激するのですね。古くはべート-ヴェンの「月光」にはじまり、「荒城の月」、「月の砂漠」、「ミスタ-ム-ンライト」、「キリングム-ン」、「ム-ンライトシャドウ」、「マンオンザム-ン」、「カサブランカム-ン」、「ハバナム-ン」、「ブル-ム-ン」・・・・挙げていくとキリがありません。でも最後にくるのはやっぱり「ム-ンリバ-」かな。ポップ・ミュ-ジックの最高の名曲ですね。ジャケットのオ-ドリ-もめちゃくちゃ可愛いし、一家に一枚のお宝盤です。これは。自分はこのCD,一番いいところに飾っています。アナログ盤も欲しいなあ。
Breakfast at Tiffany's (Essential Penguin)
オードリー・ヘップバーンの映画で有名。南部出身の作家が都会のビート文学に挑戦といった風体だろうか。カポーティ独特の素晴らしい文体が鋭く光る。