Collector's Series
フォー・フレシュメン (The Four Freshmen 1948年〜) はアメリカ合衆国インディアナポリスのバトラー大学で誕生した男声カルテット。1950年スタン・ケントンが見いだしたとされている。オープン・ハーモニーとユニゾンを得意とするジャズ・コーラスが最大の特徴といえる。特にフォー・フレシュメンのオープン・ハーモニーは世界初といわれている。一般的に男声カルテットの場合、上から2つ目のパートがメロディを歌うが、一番上のパートがメロディを歌った初のボーカルグループとされる。ユニゾンとは直訳では斉唱(せいしょう)もしくは斉奏で、複数の人が同じ旋律を歌うことをいう。これに対し一人だけが歌う場合を独唱、複数の人がそれぞれ別のパートを歌うことを重唱、複数のパートをそれぞれ複数の人が歌う場合を合唱という。オクターブが異なる場合でも同じ音を出していれば斉唱とされる。少しむずかしい話になったが、何しろフォー・フレシュメンは聴いていて気持ちがいい。楽器ではなく人間の声の魅力を余すところなく表現したジャズ・コーラスにしばし酔う。
(青木高見)
フォー・フレッシュメン&ファイヴ・トロンボーンズ
男声グループ・ヴォーカルの傑作と言えばこれだ。5本のトロンボーンに、ピアノ(クロード・ウイリアムソン)バーニー・ケッセル(ギター)ジョー・モンドラゴン(ベース)シェリー・マン(ドラム)の豪華メンバー。男声コーラスと複数のとトロンボーンのハーモニーがこれほど、美しかったのか。と、びっくりするはずだ。さすが、約50年前の録音だけあって、「アイ・リメンバー・ユー」の歌い方、ハーモニーなど現代の男声コーラスグループ、たとえばシンガース・アンリミテッドなどに比べると、ちょっとノスタルジックな感じもする。しかし、美しいハーモニーは、いつ聴いてもいいね。このアルバムのヒットで、5ギターズ、とか5サックシーズとかのアルバムも制作されたが、出来はこのアルバムがベスト。もちろん、フォー・フレッシュメンのベスト盤である。(松本敏之)