3
キリンジは次作の『Fine』から入ったのですが、個人的にこちらは佳作止まりで、いまいちキリンジの世界観が掴めず。
このアルバムも余り期待せずに聴いたのですが、これがもう遥かに予想を上回る珠玉のポップスアルバムでした。
泰行さんの包み込むような優しく暖かい歌声に、とことんポップなメロディー、『悪玉』『メスとコスメ』『イカロスの末裔』等、人を喰ったような毒気のある歌詞も非常にユニークで楽しい。
キリンジの最高傑作と言われるのにも納得です。
上質なポップスを探している方には、文句無しにオススメの作品です!
ビは塩ビのビ―PVCフィギュア改造マニュアル (DENGEKI HOBBY BOOKS)
市販フィギュア改造本です。
割と薄い本ですが、なかなか内容の濃い一冊となっています。
改造する作例として扱っているフィギュアは美少女系が9割、ロボット系が1割程度でしょうか。
(エイリアン等のクリーチャー系やアメコミ系などの海外フィギュアは
一切扱っていませんのでご注意を!)
日本のフィギュア需要に則った構成だと思います。
まず、この本は模型初心者が最初に手に取るべきではありません。
冒頭からいきなりエアブラシを用いた塗装をしていますし、
専門店でないと手に入らないような特殊な溶剤も使っています。
個人的にはガレージキットをそのまま作るより難しい内容を扱っていると感じました。
模型初心者の方は最低限の知識を身につけるために
ノモ研 増補改訂版 (ホビージャパンMOOK 227)
などの初心者向けhow to本を一通り読んでおくことを強くお勧めします。
決して「お手軽改造本」のような内容ではない、という点を
重ねて強調しておきます。
さて、上記のような一般的な模型初心者向けHow to本では
ある技術や道具を紹介・解説するために作品やパーツを作りますが、
この本では思い描いた作品を形にするために技術や道具を用います。
そのため、一部記事において当書掲載作例と全く同様の事をしない限り、
実際に自分の作品を作る上で応用しづらい、といったこともままあるかと思います。
しかしその点を鑑みても、全体的に見て当書は模型中〜上級者にとって新しい技術や見識を
もたらしてくれる貴重な一冊になりうると思っています。考えてみれば、昨今の市販フィギュアは
大量生産だと決してバカに出来ないほど精巧にできていますし、それをさらに改造・改善しようと
すれば要求される技術も高くなるのは当然の流れではないでしょうか。
塩ビフィギュアは普通のプラモデルほど趣味レベルでの加工法が一般的ではないため、いざ
改造しようと思ってもどうすればいいか分からないことが沢山あると思います。
「普通のプラモデルを結構うまく作れて、初心者レベルの本では物足りない」、
そんなモデラーにとってこの本は良い指南書になってくれるでしょう。
個人的おすすめの一冊です。
愛と死 (新潮文庫)
僕はフランソワズ・サガンと武者小路実篤は一寸似ていると最近思っている。サガン『悲しみよこんにちは』は武者小路実篤『愛と死』と対極を成す作品であると勝手に聯想している。サガンの『悲しみよこんにちは』を読むと如何しても日本人としての劣等感を感じてしまいはしないか?40代になっても女性を引っ替え取っ替えするプレイボーイの父親とその父親を尊敬する17歳の娘セシル。父と娘が恋愛について、芸術、死に就いて深く語り合う。40代になっても恋愛に感けている恰好いい情熱的な父親なんて日本にいないと思うし、娘に尊敬され、娘と何でも語り合え。娘とキスしたりする父親なんても矢張日本にはいないと思う。
『愛と死』はそんな我が国日本の真面目で勤勉で礼儀正しく奥手な青年がサガンの小説の舞台フランスに留学する話である。語学も出来ず特別格好良くもなく、恋愛経験豊富な訳でもなく、特別才能があるわけでもない。そんな青年がフランスに於て劣等感を克服しようと努力する。「僕はこの度の滞在でフランスが、特別ヨーロッパが日本より優れているわけじゃない、日本にだって良いところは沢山あるんだということを学んできたんだ」と。物語の不幸な恋愛だけでなく、日本人のヨーロッパに対する劣等感という視点で読んでみることも出来る。
ギター弾き語り キリンジ songbook (ギター弾き語り)
数々の名曲を生み出すウルトラエキセントリック兄弟キリンジのソングブックです。この本を読んで、自分で完璧に演奏が出来ればあなたは凄い人です。それだけ難しい曲だらけです。作曲したキリンジは凄いなぁ。