イン・ザ・ホット・シート
1994年リリースの再結成EL&Pのスタジオ録音第2作・・・取り合えず再結成セカンドがでて嬉しかったですが、内容がグレッグレイクFeaキースエマーソン&カールパーマーと言った感じで全体的におとなしい演奏に終始しています。特にカールパーマーは「どうしたの?」と言うくらい歌判ドラムに徹している印象です・・・みんな大人になったのかなあ(笑)。曲のほとんどに外部ライターを導入しており、グレッグのヴォーカルの魅力を引き出すような作風になっています。個人的には正直な話、このアルバムに魅力的な曲は(好みもありますが)ありませんでした・・・むしろボーナストラック「展覧会の絵」スタジオ録音バージョンが、テクノロジー駆使のサウンドで良かったです。4枚組ボックスセット「ザリターンオブザマンティコア」に収録されているものと同音源で93年の新録です・・・ボックスセットを持っていないので、これは大変ありがたい収録でした!!日本盤のみさらに「ハマーイットアウト」が追加収録・・・キースの自宅録音ジャズ風ピアノソロ、必要ない感じですが(笑)!!ファンは勿論買いですが、聴く頻度は低いアルバムです・・・僕がそうなので。
ライヴ・イン・バッファロー 1982.05.03
奇跡のオリジナル・メンバーでの来日公演を記念して数種類のオフィシャル・ブートレッグが発売された。
オリジナル・メンバー時代の音源3種ののうち、いや、現在公式発売されている音源のうち、サウンドボードなのはこの作品だけ。その意味での希少価値はある。
ただ、曲によってはイントロやアウトロが切れてしまっている、既に数年前に国内発売された事があり今回発掘されたわけではない、「偽りの微笑み」などがカットされていて完全版ではない、収録時間が80分弱しかないにもかかわらず2枚組である、などの条件を考慮して星は4つとした。
演奏は、勢いがあるともいえるし、粗いともいえるが、あの眩しいほどの成功を掴んでいた時機の記録として感慨深い。
私としては、今回の一連のエイジアのライブ盤では、この作品だけ持っていれば十分だと思う。くれぐれもオーディエンス録音の粗悪盤で金を捨てないようにしてただきたい。
Emerson Lake & Palmer
なんだかんだ言ってEL&Pのアルバムで一番よく聴いているのがこれです。一般的には「タルカス」、「展覧会の絵」、「恐怖の頭脳改革」という強力な代表作に比べるとやや地味という評価をされてるようです。
確かにこの1stではバンドとしても、音楽性の面でもまだ完成されてはいません。しかし、その分これ以後の代表的な作品群よりも大きな可能性や、何か新しい音楽を生み出そうとする瑞々しいエネルギーというか熱意がひしひしと伝わってくるように感じます。
斬新だけども、気品があって奥深い、ブリティシュプログレの魅力やその精神性みたいなものが凝縮されているようにも思います。
演奏や楽曲についてはスリリングで荘厳なキーボードプレイばかりでなく、不気味な響きのインストから牧歌的な美しさを持った歌もの、各人のソロプレイをフューチュアーしたものまでじっくりと楽しめるものばかりです。特にクリムゾン時代よりも良い演奏をしているグレッグレイクが印象的です。
ナイアシンもすごいと思いますし、とても魅力的ですけど、EL&PやUKに比べると何かが足りない。この作品で聴ける音楽は、アメリカ人には絶対に出せない味や魅力がいっぱい詰まっていると思います。
確かに彼らの代表作が持つような強烈なインパクトはないかもしれません。しかしとても味わい深いアルバムです。彼らに対する固定観念を捨てて聴いてみてください。きっと1曲目の不気味に歪むベースサウンドとそれに続くハモンドによってこのアルバムの不思議な世界に引き込まれることと思います。
ELP四部作
アルバム名は、メンバー3人が別々に作ったパート、及び全員のパートの合計で4部作という意味。
それぞれの才能が高いことが改めて分かる作品であるが、その中でも個人的にはカール・パーマーの部が良いと思う。
このアルバムの最大の聴きどころは「庶民のファンファーレ」ではないだろうか。演奏時間が10分近い大作であるこの曲は、決してその長さを感じさせない。クラシックの作曲家コープランドの原作であるが、原曲を上回ると言っても過言ではない。他のELPのベスト盤等にも入ってはいるが、それは最初の3分だけで音量を下げて終わらせているもの。この曲は実はその後の方が変化に富んでいる。
他にも13分を超える「海賊(Pirates)」など素晴らしく、ベスト盤や「展覧会の絵」と共に聴くべき傑作といって良い。
ハイ・ヴォルテージ・フェスティヴァル 2010 【Blu-ray/日本語字幕付】
自分にとっては本当に神様のような存在です。
中学のとき初めて聴いたELPは、音楽性の高さのみならずその
演奏力とパフォーマンスに唖然とするばかり。
いまでもクルマに乗ると永遠の謎を聴いたり恐怖の頭脳改革を聴いたりしています。
この盤に収められてる演奏は、おそらくコアなファンを失望させるにたるものですが、
ところどころにその全盛期の片鱗が垣間見えるところに涙を浮かべてしまいます。
キースの後ろに鎮座するのはMOOGIIIでしょうか。
それ以外の機材は変わったようですがマルチキーボードに囲まれるキースはほんとにすばらしい。
演奏も数曲目からだんだんと乗ってきます。
石を取れからフロムザビギニングのあたりになるとカールのリズム体もそれなりに。
グレッグレイクのボーカルもなんとか聴けて来ます。
突如始まるタルカスのピアノソロに目を見張ります。
作曲家としてのキースは、もっと評価されてしかるべきと
頭をよぎります。
もちろん全体に切れがないのは否めませんが、
自分としてはこれを聞いた後悔はみじんもありません。
願わくば、70年代の演奏がどんどん発掘されて世に出てくることを
切に希望します。(トリロジーってライブでやったことあるのかしら?)
とりとめない文章でごめんなさい。