ボディ・アンド・ソウル (1933-1949)
今日テナー・サックス抜きにジャズシーンを語ることは不可能であるが、そのパイオニアこそコールマン・ホーキンスであることは誰もが認めるところであろう。その後、チュー・ベリー、ハーシャル・エヴァンス、ベン・ウエブスター、イリノイ・ジャケーなどの名手がホーキンスの後を追って輩出し、この楽器がジャズの花形となったわけだが、ホーキンスの圧倒的な実力、影響力はレスター・ヤングが登場するまで独り舞台といってもいいほどであった。ドイツのジャズ評論家ヨアヒム・E・ベーレントによれば、ホーキンスは絵画でいえばバロックの巨匠、ルーベンスに例えられ、レスター・ヤングはセザンヌに当たる(こちらの表現はマーシャル・スターンズの例え)とのことだ。確かにホーキンスは、ヴォリュームのある音色、細やかな表現力、力強い説得力などまさにルーベンスが一時代を作った圧倒的なスタイルと影響力を持っていた。本アルバムで聞かれるボディ・アンド・ソウル等に代表される男性的で、豊かなソノリティ、劇的でメロディックな構成は、まさにルーベンスさながらキング・オブ・テナーの醍醐味を感じさせてくれる。そして、ホーキンスのさらに凄いところは、モダンエイジに入ってからも、バッパーたちと共演し、一向に古くならなかった漸進性にもうかがえる。
レスター・ヤングという、一方のモダニストの存在がありながらも、ホーキンスのテナーは輝きを失うことなく、現在にも生き続けているといえよう。その意味でも、スイング期からビ・バップ期に収録された本作は、ホーキンスのエッセンスを知る格好のドキュメントであると同時に、ジャズの歴史を一人のテナー・サックス奏者が鮮やかに伝える重要なアーカイブである。
インプロヴィゼーション [DVD]
パーカーとコールマン.ホが始めに登場です。バードはラフに吹き始めますがIdearは冴えてスローな曲の中でアルトのサイドキーFまで突然hitさせてみたりしてます。カッコいいです。その後catsは変わりjamが始まります。暫くするとJoe Passのソロでエインミスビヘイブンとプレリュドtoア キス。相変わらずウォームな音で調子もいい様です。Joeのコードワークが見れてギタリストは有り難いかも。そして司会進行役のオジサンの趣味なのかエラフィツジュラルドがここで一曲。で、リートは大御所ガレスピー、Cテリー、エディロックジョーデイビス(そうか、このテナーの人がsoか!JBのサイドメンかと思った)の三管フロントのヤノピがピーターソン、スーベが確かペデルセン、ムラドは思い出せん。でアップテンポのブルース[スーブルか?]。ガレスピーもチヤンGになったのでマッセイホールの頃の様な元気はありませんが一生懸命やってる姿うれしいです。で最後にフロントの三人でワンコーラス〜4barsのソロ回しで盛り上がってのエンディング大立ちション大会(笑) あまり期待せずに観れば楽しめる作品。
ジェリコの戦い+2
コールマン・ホーキンス(Coleman Hawkins 1904年11月21日〜1969年5月19日)は、アメリカ合衆国ミズーリ州出身のジャズ・サックス奏者。アルバムは1962年のヴィレッジ・ゲイトのライブで邦題「ジェリコの戦い」コールマン・ホーキンスの後期の会心作。活動開始が1923年フレッチャー・ヘンダーソン楽団、この楽団にニューオリンズ出身のルイ・アームストロングが加入したことが転機となる。ジャズ・サックスという楽器をサッチモのコルネット風に演奏した最初の人といわれている。以後60年代までと足跡はひじょうに長く、サックス奏者に限らず多くのその後のミュージシャンに多大な影響を与えた。「ジェリコの戦い」は旧約聖書に登場する古代イスラエルのヨシュア(ジョシュア)がカナン人の都市ジェリコの侵略を歌ったものであるが、黒人霊歌となりジャズのスタンダード・ナンバーとなる。本来曲名だが「ジェリコの戦い」といったらこのアルバムの代名詞になってしまった。共演者はピアノのトミー・フラナガン、ベースのメイジャー・ホリー、ドラムがエディ・ロックと全体としての完成度が高く超有名盤となった。
(青木高見)