江戸の巨匠ふ~ちゃんのお気に入り動画評論

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Don't Give Up on Me  2枚組のピーチ・カラー・レコード。ダブル・ジャケット仕様で180gの重量盤です。曲順はCDと同じですが、最後にCD未収録の"I Need A Holiday"(現在はなかなか入手できないシングルにカップリングされていた曲)まで収録されています。
 このアルバム、リリースされた直後は非のない傑作と思っていましたが、5年聴き続けているうちに若干印象が変わりました。例えば、ロック系のアクの強いミュージシャンが曲を提供しただけあってやや統一感に欠ける印象が残りますし、アレンジの甘さも目につくようになりました。ただ、それでもなお土が薫る激渋のサウンド・プロダクション、Solomon Burkeのヴォーカルの湛える哀感に圧倒されています。素晴らしく印象に残る名盤と思っています。
こんな内容のアルバムですから、旧世代の人間としては、ぜひアナログで持っていたい一枚だと思います。

「ダーティ・ダンシング」オリジナル・サウンドトラック~アルティメット・エディション 映画の流れに沿ってかかった曲が入っているのでとても聴きやすかったです。昔の歌はいいですね。これから長く聴き続けていきたいです。
少年アリス 多くの人が、このアルバムを聴き終わって思ったはずだ。
「いつもの彼女と、何かが違う」
巷では思いのほか否定的な意見が多いこのディスクだが、
個人的に、4thアルバム「少年アリス」の完成度は申し分なしと考える。

ひと通り聴き流してみると、なるほど、
楽曲に「ムムッ」と唸るほど強烈さがない、ように感じられる。

バリバリと迫ってくるような「菅野らしさ」が、
今回、どうにも影を潜めている、ようにも見える。

しかし、聴き返していくほど、その深みに近づいていける。
これまで、菅野よう子が段々に高く積み上げたハードルを
次々と飛び超えて今に至った、そんな坂本真綾の集大成が見えてくる。
それは、歌い手であり作詞家であるというアイデンティティの確立。

今まで楽曲におぶさってきた坂本が、地に足をつけて立ち、
一人の表現者として、菅野の楽曲を受け止める強さである。
今や「歌う声優」ではない、という独立した自身の強さである。
これまで、ある面では坂本を引っ張り、引き立たせるために
必要不可欠であった楽曲の奇抜さがいくらか影を潜めたのも、

坂本自身が、強力な武器を手に入れつつある事の表れではないか。
このアルバムは、坂本の新たな可能性の呈示ではないのだろうか。

かと言って、菅野が手を引いたわけではない。
いや、楽曲に込められた思いは今まで以上と言っていいだろう。
捨て曲一切なし。全てが当人たちの全力の賜物であると思わせる。

この楽曲も深さは、一度聴いただけで味わい尽くせる物ではない。
「少年アリス」は、全てが深く内面に根ざした新しい形である。
坂本真綾と言う表現者の、新たなIDとなる作品であると言えるだろう。


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