自己流plus
この人の書く曲には、流行歌にはない不変の力強さがある。それは「ふきのとう」時代よりもソロになってからの方が顕著である。優しさと強さのバランスがちょうどいい。アルバムを通して聴くと、忘れかけていたあの頃に引き戻されてしまう。味わい深い、スルメのような作品だ。
「自己流 山木康世」 30周年記念版 (CD付)
永久保存版に、ふさわしい、CD付き、フォトブック。
山木さんの顔のアップがカラー写真・・・写真集。
道産子との対談集。
そして、10曲入りのCD。すべて、楽譜とコメント付き。
目を閉じると、そこで、ギターとハーモニカで、歌ってくれているような。
歌詞に、札幌、小樽、新巻鮭、ニシン御殿、洞爺湖、噴火湾・・・と北海道民に親しみのある地名や名称。情緒性のある、山木さんの歌は心温まります。
『ステーションホテル』は、ちょっと他の曲とは、テーマが違いますが、山木さんらしい歌に仕上がっていますよ。純粋な不倫の歌?
嶺上開花 リンシャンカイホー
ふきのとうやフォークソングファンには、堪らない内容となっていますね。青春時代がリメイクされて蘇る。「ひとりの冬なら来るな」などはオリジナルの歌詞になっとります。スケッチに入っているそれとは少し違う。当時、細坪氏のヴォーカルでなじんだものが、山木氏の声で蘇る。聴いてきたファンには、色々な想いがグルグルですな。
「男は50歳から」と言われますが、2枚目にはたっぷりとエキスが散りばめられていて齢を実感させてくれる。個人的には「濡れ手に粟」は入れて欲しかった。