WONDERFUL POPS【Blu-spec CD(TM)】
一般的にはいわゆる「ニューミュージック」や「歌謡曲」扱いだけど、
実はロックな人たちのロックな演奏が聴ける好編集盤。
オリジナルのレコード&CDが入手困難な
SHOGUNやクリエーションなどの収録が嬉しいです。
曲を覚えてレパートリーに加えれば、次回のカラオケでウケること間違いなし。
海炭市叙景 [DVD]
原作は、ホントに短い小編が18編あって、それも冬と春の話ばかり(このあと夏・秋編が書かれる予定だったようですがその前に逝去し未完の遺作となった)なので悲しい印象ながら、なんだか染み入るものがありました。本作は、5編を抽出しています。
原作小説の時代に合わせているのかもしれないのだけれど、この寒い曇天の感じがなんとももの悲しく、それが全編を貫いています。それぞれのエピソードは、原作ではあまり交錯しませんが、映画では関係性や交錯度合いが多いように上手く描かれています。
初日の出を見に行くために出かけた兄妹が、路面電車が通過する前に横切ったその電車の内部が映し出されます。そこには、すれ違うばかりだったプラネタリウムの技師夫婦も、義母に暴力をふるわれていた息子アキラ君と、そのことにようやく気付いて連れ出したガス会社の父親も、乗り合わせているのだ...。なんだか不思議で、現実味がなくて、「銀河鉄道の夜」みたいな印象さえ受けます。ささやかな救いが、そこにあるのかもしれません。『映画的幸福の邂逅』との評も目にしましたが、まさにその通りです。
辞書によれば『叙景』とは、風景を文章に書き写すこととあります。本作は、映像での『叙景』に成功している。冷たく乾いた空気を写し取った近藤龍人の美しく厳しい撮影も、ジム・オルークのサウンドも映像に寄り添って心に沁みます。
原作より、少しだけ救いがあるような脚本になっているからだけでなく、寂しいようにも、寒々しいようにも、痛々しいようにも見えるのに、なぜだかとても、とてもとても幸福で穏やかな余韻が残ります。まさに映画の神様が、画面に確かに宿っているようにさえ思えます。
HARDEST NIGHT LIVE
ファンの方はご存知の松田優作主演映画「ヨコハマBJブルース」のサントラ盤の意味合いも持つ傑作アルバム「HARDEST DAY」を引っ提げたツアー音源からのライブ盤です。どっぷりブルーズに浸かっている訳ではなく、むしろハードボイルドを音にしたような印象を受けました。
「ホンキートンクウーマン」はROLLING STONESの名曲を日本語でカバーしたもの。同じくSTONESの曲と同名の「ミッドナイトランブラー」は同名異曲で聴けるのはこのライブ盤だけ、「HARDEST DAY」には収録されていません。
「灰色の街」「BAY CITY BLUES」「マリーズララバイ」と男気を感じさせる気持ちの籠もった唄が強靭なバックに支えられて次々と披露される。断然ライブのほうが熱い!! そしてこのアルバムを名盤と決定付ける名唱といえる(5)「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」が。至極の一品として強くオススメです。