ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、他
ベルギー出身の名指揮者アンドレ・クリュイタンスが、手兵であったパリ音楽院管弦楽団を指揮したラヴェル・アルバムからの一枚。
ラヴェルのオーケストラ作品集は、人気のある作品だけに、数多くの名盤がありますが、その中でもひときわ強い個性を発揮しているのが、この演奏。
パリ音楽院管弦楽団は、パリ音楽院の名だたる教授たちによって編成されていたオーケストラで、他の国のオーケストラには無い独特の音色を持っていました。「クープランの墓」でソロをつとめるオーボエのRobert Casier,「亡き王女のためのパヴァーヌ」のソロ・ホルンをつとめるLucien Thevetなど、ソロ楽器の音色も際立ったものです。
下手をすると雑然とした乱暴な音も出すこのオーケストラから、これほどまでに極上のアンサンブルを引き出したのは、このオーケストラと長く信頼関係を結んできたクリュイタンスだからこそ為し得たわざと言えるかもしれません。
音の溶け合う感覚、抜群のソロに、緻密な楽曲の設計。
「フランスのエスプリ」という言葉がこれほど似合う演奏は他にありません。
1961年から1962年にかけて行われた録音は、EMIにしては珍しく素晴らしい音質で、演奏の雰囲気がよく伝わってきます。
Ravel: Daphnis and Chloe in Full Score
多々ある名曲のなかでも見て楽しいスコアの
代表格ではないでしょうか。
doverのスコアは大きくて、安価であるが、
紙の質や印刷の見易さの点で若干難がある。
もちろん、さほど気にするではないにしても、
日本の会社と比べると差がある。
ラヴェル/ドビュッシー [DVD]
フルートから始まってクラリネット、そしてファゴット!これが素晴らしく美しい、ボレロの美と緊迫感を堪能させてくれている。リズムもアクセントを強調したものとなっている。
広いホールでのボレロは難しかっただろう。
素晴らしい出来栄えの演奏だった。最後の1小節を除けば。なぜ、ああなったのだろうか。
ディミニエンドしてしまった。というより、途中から伏線はあった。オーケストラのパワーがもうフルになってしまっていたのだ。なので、力尽きてしまった。
最後にとっても残念そうな表情を見せる指揮者、無念そうなオケ。ブラヴォーと叫ぶ観客。しかし、円満に公演は終わる。色々と考えさせられるボレロだった。
ラヴェル全集 1 (世界音楽全集)
批判の多いサラヴェール版に対するアンチテーゼとして、校訂者が使命感を持って作り上げたことが伝わってくる素晴らしい楽譜です。
・大き目の音符フォントを使った印刷。1ページに小節を詰め込んでいないので譜読みしやすい。
・解説、注釈、校訂報告、どれも非常に充実していて、読んでいるだけで勉強になる。
・難しいフレーズは、曲調に影響しない範囲での改変アイディア付き。
「道化師の朝の歌」の重音グリッサンドの改変アイディアなど参考になる人も多いはず。
・選曲、価格、内容の充実度、譜読みのしやすさ等、すべての面で「ラヴェルを弾くならこの楽譜がいい」と断言できます。