北国の街 [DVD]
富島健夫の「雪の記憶」をベースに当時新進気鋭の倉本聰が脚本を書き、
これ以降日活舟木映画を連作した柳瀬観が監督した作品。
もちろん舟木の新曲「北国の街」を映画化するために、「雪の記憶」の各エピソードと
筋書きを大胆に換骨奪胎した内容になっている。
原作では戦後、新学制が敷かれる直前の旧制中学の生徒と女学校の生徒との純愛(おそらく舞台は下関の対岸にある
北九州の海辺の町、玄界灘は山陰の日本海の延長線上にあり雪は珍しくない)として描かれ、
映画は舞台を本当の北国、長野県飯山市に置き換えて、新制の男子高校と女子高校の生徒の物語として描かれた。
言うまでもなく 主人公海彦役の舟木一夫は現在も大活躍しているが、
この映画はこれ以後の「舟木一夫」を決定づけた作品と言っても過言ではない。
この作品でいくつかの見どころをあげるとすれば、ひとつは冒頭のタイトルバックで流れる「北国の街」の主題歌。
レコードとは別録りされたツーコーラスのこの歌声は舟木が一番好きな歌唱法で唄ったったお気に入りのものだと思う。
この幾分そっけない歌い方にこそ舟木歌謡の真髄があるということを感じていただきたい。
ふたつめはいうまでもなく、和泉雅子扮する雪子との手のひらだけで表現した愛の交換のシーン。
誤解を恐れずにいえば、日本映画史上最も美しいラブシーンである。
この名シーンは舟木と和泉のコンビ以外では実現しえなかった。キャメラワークもすばらしい。
他にも、藤田を演じる故山内賢のかっこよさが忘れられない。
笑ってよ、北極点
著者は女優。番組レポーターとして訪れた南極で極地の魅力に取り憑かれ、北極点を目指すことになった。最初に挑戦した1985年には途中で挫折。二回目の1989年に北極点到達に成功した。一回目、二回目について、それぞれ何冊かの著作がある。本書は2回目の挑戦について詳述したもの。
カナダ・コーンウォリス島のレゾリュート空港から北極点まで、1700キロあまりをソリで行くという困難な旅である。雪と氷の上を滑っていくのだから、簡単ではないかと思われるかも知れないが、これが想像以上に大変そうだ。行く手をふさぐ氷の山を切り崩し、氷の割れ目を避け、ブリザードに悩まされる。衣食住(テント)、人間関係、競争相手との駆け引きもものすごい。
日記の形式で書かれているのだが、著者の疲弊と苦悩が痛いほどに伝わってくる。また、女性ならではの視点から冒険行が描かれており、迫力があった。
あらくれ [VHS]
1960年代後半に小松市でオールロケがされました。
小松市の尾小屋鉱山や、観音下の石切り場、尾小屋鉄道、旧市街地の町屋やお旅祭が懐かしい。
小林旭や仁侠映画ファンでなくても、小松市の地元の人にはお勧めの懐かしい映画です。
非行少女 [VHS]
『キューポラのある街』('62)でデビューした浦山桐郎監督の第2作。
家庭に居場所を失った少女(和泉雅子)の非行と立ち直りを、彼女を励ます青年(浜田光夫)との恋心に絡ませて描く。前作での吉永小百合同様、和泉雅子も浦山演出によってその演技を高く評価された。モスクワ映画祭金メダル賞。ベストテン10位。
ラストの別れのシーンは泣けてきます。