国難: 政治に幻想はいらない
小選挙区改革導入の賛同者である筆者が制度の問題点を真摯に反省し、小泉改革などで破壊された自民党を原点から立ち直そうと決意を表明した著作である。民主党を選択して裏切られ、かといって再び自民党支持に戻るのに抵抗を感じる選挙民には、耳に快い事ばかり言って国民を騙した民主党と決別してプロに任せる最後の機会だと問いかけている。筆者の愚鈍なまでの真面目さがまだ国難に対してどうしたらよいか態度を決めかねている人たちに問いかけている意味は大きい。
自民党総裁選挙では敗れたが、この人が政権中枢いるのなら自民党に任せてみたいものである。以前体を壊した元総理には頼もしい選挙の顔になるであろう。
国防 (新潮文庫)
全般的に著者の話し口調で著されており、とても丁寧にかつ分かりやすく日本の国防について説明しています。国防に関する専門書としては物足りない感もありますが、逆に多くの人に読んで理解してもらうには適正な水準と考えます。特に興味深いのが防衛庁長官の一日が紹介してあるところであり、想像以上の激務を遂行された著者に尊敬の念を抱きました。
著者の考え方を順を追って理論的に(小難しくはありません)「説明」してあるので賛成派も反対派の方も、ぜひ読んでみてください。(高校生や大学生あたりに読んで欲しいです。)
こんな日本をつくりたい
今年(平成24年)の自民党総裁選に立候補した石破茂氏と,若手評論家との対談集。
世代も経験も思想・信条も異なる二人の対談ではあるが,それだけにそれぞれの主張が際立っていて読み易い。
内容は,社会保障,雇用,農政,国防,地方自治,選挙制度等と多岐にわたっており,書名のとおり,「これからの日本をこういうふうにしていきたい。」という前向きな提言が散りばめられており,魅力がある点が良い。