JA-ZOO/hide with Spread Beaver
偉大なミュージシャンの遺作には美談がつきものです。ジャズの帝王マイルスデイビスが亡くなった時に当時一緒にレコーディングをしていたイージー・モービーが一人で遺作「ドゥーバップ」を完成させたように(わかりにくい例えですかね?)、本作もhideの死後、I.N.A.をはじめとするSPREAD BEAVERによって完成されました。本作にはI.N.A.の、hideに対するリスペクトの念と、彼の生前の意向を可能な限り再現しようという思いがあふれています。例えば、「HURRY GO ROUND」。この曲には、ストリングスが入ってて「hideっぽくない」と思うひとがいるかもしれませんが、これは彼が生前に「この曲にはストリングスを入れたいな」と言っていたのにI.N.A.が忠実に従ったものなのです。この曲以外にも、「SPREAD BEAVER」「FISH SCRATCH BEAVER」などは完成する前にhideが他界してしまったために、SPREAD BEAVERのメンバーによって完成されたものです。本作の持つ最大の美談は、「PINK CLOUD ASSEMBLY」に隠されています。この曲そのものは、わずか2分強しかなく、その後18分に渡る無音が続きます。これは悪ふざけでもなんでもなくて、本作のトータルタイムを58分28秒にするためのものです。「58:28」とCDプレーヤーに表示させることで、hideの命日である「5月2日」(二つの「8」をそれぞれ、「月」と「日」と読むわけです。ちょっと苦しいですが)をみんなに覚えていてもらおうというI.N.A.の願いが込められているのです。hide以外の人物の介入が多いことから、本作をあまり認めないファンの方も少なくないようですが、本作はhideがみんなから愛されていた偉大なミュージシャンだったということを改めて確認させてくれる素晴らしいアルバムなのです。余談ですが、当時のI.N.A.のインタビューによると、「女子高生」というタイトル(もちろん仮題だと思いますが)の、本作に収録予定だった、かっこいい曲があったのだとか(まったく録音していなかったので発表する術がなかったそうな)。めちゃくちゃ気になります。
限界破裂本 (シンコー・ミュージックMOOK)
音楽面だけでなく色彩感覚、ビジュアルな面でも才能を発揮したHideのセンスに近い本です。とにかくカラフルで楽しさに溢れたムック。Hideが亡くなったあとほかのメンバーだけで決行されたHide with Spread Beaverのツアーの様子、怪人カード、Hideの3枚のアルバムのそれぞれの本人へのインタビュー、その当時の写真も満載。残されたZilchのメンバーたちへのインタビューも載っている。インタビュアーもHIDEの音楽性、その稀有な才能を理解していて、読み応えのあるインタビューになっている。Hideの音楽性、特に作詞、作曲面での特異な才能を上手く伝えていると思う。カラフルかつ内容も十分以上で読ませる、お買い得の本。これは、おすすめ、です。
ROCKET DIVE
X-JAPAN解散後のソロ活動第一弾のシングルになります!!
ここから名義名も「hide」ではなく、「 hide with Spread Beaver 」になり、hideのソロが更に加速していった時期になるのではないかと思います。
98年5月2日に突然の訃報でhideさんがお亡くなりになってしまい、悲しい気持ちですが、それでも、X解散になってもソロ活動を展開し続けてきたhideの気持ち、そしてこれまでのX(後にX-JAPAN)としての活動のhide、ソロデビューを果たしたときのhide、絶対に忘れないです。あれから9年経った今でもhideさんの曲は全て最高の財産です!!
hide with Spread Beaver appear !! "1998 TRIBAL Ja,zoo" (初回限定版) [DVD]
2. :ROCKET DIVE
9. :ピンクスパイダー
16.:ever free
22.:TELL ME
25.:DICE (11/27 横浜アリーナ hide Se’va [C-Aid]より)
以上の曲目は、既発表のスタジオ収録録音音源のhideの歌声に合わせて、スプレッド・ビーバーのメンバーたちが演奏しているフルバージョン。
ダイジェストで曲の途中で切れてはいません。
24.:コギャル(作詞・作曲:hide)
これもフルバージョンですが、本人の歌が入ったものがなくてアルバムに入れられなかった曲とのことで、ベースのチロリン氏が歌ってます。良い雰囲気ですが、ホームビデオ的な録画・録音で、品質は良くないですが、オマケにしては貴重な音源です。
Ja,Zoo(ヤズー)
ムジカという雑誌でVAMPSのインタビューを先月読んだ。
そこでVAMPSの結成の経緯を説明している内にhydeが引き合いに出したのが
「hide」だ。
hydeの話で具体的な曲を指定はしていないが、ピンクスパイダーを揶揄している表現がある。
「日本の音楽チャートで必ず上位に入る人がそういった曲をチャートに送り込む」
「そういったことを10年前にやっていた人がいたんだ」
「hideさんが生きていたらたぶん今の音楽シーンはだいぶ違っていたのではないか?」
日本の音楽チャートっていうものは売れればいいという思想の基で成り立っているので
要はなんでもアリだ。たとえ曲が悪くても良くても売れればいいのだ。
要はその思想の中で上位チャートに必ず入る人間がこういった楽曲を送りこむ…
っていうやりかたがやはりロック兄さんのhideならではという感じがしました。
インタビューの最後KAZが昔hideちゃんに
「KAZさぁ…ポップな曲ってかける??俺はかけるんだよね。」
って言われたことがあるってエピソードもhideらしいと思いました。
このアルバムが発売された当時、自分は高校1年生。
正直、まだロックなんてよくわかってなかった。
いろいろな思惑が交叉しているアルバムだったんですね…。