オリジナルサウンドトラック「阪急電車 片道15分の奇跡」
映画館では見ていないけど、偶然テレビで見た時、何となく引き込まれていました。使われていた音楽も、どこか聴いたことがあるような・・・。映画が終わった後、早速ネットで調べたら、やはり吉俣良の音楽でした。以前もそんな事がありました。それだけ(良い意味だと思うけど)心に残りやすい音楽だと思います。
阪急電車 (キャンブックス)
阪急電車ファン待望の書が発刊された。ページを開き、読み進むにつれその感が強くなった。
マルーンの車体色に代表される阪急電車、車両中心の紹介となっており、箕面有馬電気軌道の1形から書き起こされているが、その神髄が発揮されるのは、昭和30年代からの高性能車の誕生以降、著者がその開発製造に関わった車両たちの紹介であろう。
実務者の手によるこの書には、ファンというだけでは知りえなかった挿話が随所に散りばめられており、単なる車両紹介の書とは異なっている。
阪急電鉄の車両部門の要職を歴任され、阪急電車を作っていたアルナ工機の社長まで務められた著者は、淡々と書き進められておられるが、行間には阪急電車に対する愛情が溢れている。
著者の手になる1/80の阪急電車の顔のイラストが楽しく、阪急電車ファン 特に車両ファンにとっては座右の書となるのは間違いない。
阪急電車
関西の私鉄「阪急電鉄」を舞台にした全16編の連作短編集。
本屋で見かけた時には思わず「おぉ!」と声を上げてしまった。
まさか関西を離れて阪急電車の文字を見るとは思わなかった。しかも有川浩の小説。
阪急電車と言えば、普通は神戸・三宮と大阪・梅田をつなぐ神戸線が最もメジャーとなる。
私が神戸に居たころ最も使っていた神戸線はほとんど出てこないが、舞台となる阪急今津線には懐かしい思い出がいっぱい。
作中で紡がれる自然な関西弁も情景が思い浮かびます。
見事なつながりを見せる連作短編は、電車という限られた空間の中で輝きを放っていた。
他のレビュアの方が素晴らしいレビューを書いてくれているので、私は少し違う目線で。
可愛らしい表紙デザインも非常に好感を持てるが、個人的に嬉しかったのはカバーを外した時に見える本体カバーの色。
阪急のカラー、マルーンですよね!懐かしいなあ。
カバー最初と最後は作中のスケッチと思われる絵。
遊び心が利いた、非常に魅力的な一冊です。
恐らく、阪急電車に、しかも今津線に惹かれて本書を手に取る人は少ないように思える。
しかし、ひとたび読み進めれば、たとえ阪急電車に馴染みがなくとも物語に引き込まれるはず。
愛する地元の風景を魅力的に描ききってくれたその筆致に感嘆を覚えるとともに、書きたいものを書く。その潔さに敬意を表したい。
今年も早速素晴らしい小説に出会えました。
「下らない男ね。やめておけば?苦労するわよ。―はい、別れるだけでも一苦労でした。でも、頑張って別れてよかったです。ありがとう、おばあさん。 もし、もう一度あの老婦人に会えるならそう言いたかった。中学のときに叱られたあの老人にも、今会えるならきっと今度はお礼が言えるだろう」本文127ページより