引き裂かれたイレブン~オシムの涙~ [DVD]
この作品のテーマは、民族・戦争・サッカーであり、オシムを中心に作られた物ではない。だから、それを期待して観ると物足りないと感じてしまうかもしれない。しかし、サッカーファンには非常に見応えのある作品に仕上がっていると思う。
私が一番印象に残ったのは、オランダとの親善試合で、ユーゴ国歌斉唱の時に見せたピクシーの笑顔だ。それを見て私は、悲しい気持ちになった。矛盾している様に思えるかもしれないが、映像を見れば、理解してもらえると思う。
悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記 (集英社文庫)
ストイコビッチを中心としたユーゴスラヴィア・サッカーを現地に追う、というだけの本ではない。何度かのユーゴ内戦をめぐるメディアや欧米の一方的で意図的な情報操作の恐ろしさが描かれている。われわれのユーゴ悪者論という先入観がいかに恐ろしいものか。そして、民族が融和していた世界を壊した者は誰なのか?著者が言う、悪者は作り出されるというのは本当だ。
ドラガン・ストイコビッチ完全読本 Finale Dragan Stojkovic
はじめ漫画が多用されているので、ちょっと斜めから見ていましたが。
子供(小6)用に買って漫画の部分も目を通しました。
そして自分の持っていた先入観は吹っ飛びました。
木村元彦さん監修の漫画で、誇り、悪者見参の要点をうまく漫画にして旧ユーゴの情勢について若年者も入りやすい1冊です。
PR戦で一方的に負けたセルビアを普通の記者とは違った目線で見て、うまく表現されています。
もちろんピクシー自身についての記載はいいデータベースになります。
週刊ファミ通9月8日号増刊 サカつく×ファミ通 J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS 特集号 [雑誌]
サカつくシリーズをやってきた人ならゲームそのものは即ゲットしてるでしょうが、これは雑誌ファミ通の特別版です。
わたしが即買いしたのは、亡くなってしまった松田直樹選手のインタビューが載ってたからです。あまりに衝撃的だったので、特にファンではなかったが偶然なのか7月1日のインタビューがあるのを見たこともあり読まずにいられませんでした。
今回のゲームではプレーヤーが全権監督になってるところが今までと違うところですね。ゲームの説明書を見れば、ゲームの遊び方はわかるだろうけど、クラブのデータはわからないと思うので参考になると思います。
後にガイド本が発売されるでしょうが、ピクシーのインタビューもあるので読み応え有ると思います。
セブン・イヤーズ・イン・ジャパン (祥伝社黄金文庫)
名古屋の監督として活躍する、ドラガン・ストイコビッチ監督が、選手のキャリアを終えるタイミングで書いた本です。
ストイコビッチと言えば、選手時代にカードが多かった、という印象がありますが、なぜ審判に抗議をするのか、カードをもらったときはどう対処しているか、などが書かれていて、興味深かったです。
サッカーに大切なのは、イマジネーションである、と言い切っていて、これは今の監督業でも生かされているのだなと思いました。
試合前に音楽を聴かないし、テレビも見ない、と言っているのも印象的でした。ただ、これは個人差があるので、監督としてこの考え方を選手に押しつけていないことを祈ります。
ユーゴの話も少し書かれています。「政治に人生が翻弄されるなんてまっぴらだ」という一文に全てが凝縮されています。
ストイコビッチの選手視点から、歴代監督の印象が書かれていて、これがなかなか興味深かったです。選手時代から監督になることを見据えて、監督の分析をしていたのだなあと。「選手と監督の関係が、フレンドリーであることはよくない」というのは、ビジネスでも参考になる意見です。
ストイコビッチ監督のサッカーは、「シンプル」ですが、これも本書に、シンプルであることの重要性が説かれていて、監督として実践しているのだなあと思いました。
10年前の本ですが、監督として成功をしている著者の本として読むと、なかなかおもしろいです。