ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴィエニャフスキはポーランド出身のバイオリニスト兼作曲家である。年代的にはサラサーテの先輩に当たる。それゆえ、この協奏曲もバイオリンの魅力がたっぷり。ほの暗いロマンと超絶技巧が楽しめる。このヴィエニャフスキの難曲を二十歳のシャハムは見事に弾ききっている。とりわけ、超難曲である協奏曲第一番はお見事。弓さばきが冴え渡り、気分爽快である。若干、僕には音が硬く聞こえるので、星は4つどまりにする(僕はパールマンの潤いのあるヴィエニャフスキがより好きなのだ)。
シャハム・ファン、バイオリン・ファンにはぜひ聴いてもらいたい。
ギル・シャハム&エティンガーの芸術 [DVD]
ハイドンではエッティンガーがチェンバロも担当して弾き振りを披露している。
シャハムの奏する二楽章冒頭のへ調長音階がこの上なく美しい。
ブルッフはシャハムは10代の頃にシノポリと協演したCDがあるけれど
その時よりもパワフルに仕上がっているように感じた。
シャハム、エッティンガーは互いに鼓舞しあって熱く強い音楽を作り上げ
精神性と外面的な要素が噛み合って、聴く者を捉えて離さない演奏に仕上がっている。
ベートーヴェンはオーソドックスに真っ向勝負。
IPOのメンバーのソリストとしての力量にも感心させられた。
熱くなりたい人におすすめの一枚。
ちなみにDVDカバーのシャハムの綴りが
私の買ったものは「Shacham 」と誤植されていて
いつかプレミアが付くかな〜と期待している。(笑)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ギル・シャハムとシノーポリ指揮のフィルハーモニア管弦楽団によるメンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を収めたCDである。録音はメンデルスゾーンが1988年8月、チャイコフスキーが1991年12月と記されて居るので、シャハムが、17歳と20歳の時の録音である。
先ず、メンデルスゾーンが最高である。この録音に聴くシャハムのヴァイオリンは、明るさを抑えた重厚な音色で、17歳の若者がこんな音色のヴァイオリンを弾いたとは信じられない思ひである。私がこれまで聴いたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の中で、これは、最高の演奏の一つである。
その一方で、チャイコフスキーには少々疑問を感じた。と言ふのは、シャハムのヴァイオリンの音色が余りにも重厚なので、チャイコフスキーのこの曲に、この音色はそぐわないのではないか、と思ふからである。だが、このチャイコフスキーも、シャハムがまだ20歳の時の演奏なのである。(!)ヴァイオリニストには、例えばヒラリー・ハーンがそうだが、十代の時には十代でなければ弾けない様な音楽を奏でて居たヴァイオリニストが居る。しかし、シャハムは、十代の頃から、こんな重厚な演奏をするヴァイオリニストも居る事の例の様である。
(西岡昌紀・内科医)
ヴィヴァルディ:四季、他
ネットが普及してからクラシックのCDが格段に手に入れ易くなりました。海外のも容易に買えますし、何よりも視聴出来ることが最大の利点です。様々な演奏家のものが視聴出来るので好みの演奏家を探し出せ、ほぼ確実に入手できます。これもその内の一つです。あまり詳しくないのでギル・シャハムはネットで初めて知りました。某動画サイトで「冬」の第1楽章を聞き、直ぐにこちらで検索、購入に至った次第です。ですので当然、評価は5つ星です。PV?があるだけに「冬」も良いのですが、個人的には「夏」が一番良かったです。