特上カバチ!!-カバチタレ!2-(20) (モーニングKC)
今回は、女性行政書士の方が活躍する回で、
内容も、身近なものでわかりやすい。
展開も法テクを使うパターンで、
個人的には、こちらが好きです。
激昂がんぼ(3) (イブニングKC)
この3巻はさらに複雑なストーリーだが何度読んでも破綻がない。原作者の努力、才能は非凡と云えます。1巻で書いたが、東大はT大とすべし。想像だけで、又事実であっても大多数が善人である場合、固有名称で貶すのは作者の将来を汚す事となる。手塚氏は、さいとう氏は、梶原氏は、そのような手軽な手法だったか。お手軽作風なら今後、暴力団の実在名称も出せよ。幾らサブカルの特権だとこの作者が主張しても多くの善良な読者は、自分の立ち位置さえも反論の場も無く、いつか云われ無き理由で貶される不安を感じる。この作者の作品を読んでいつも最後に感じる後味の悪さの原因がそこに有る。手塚氏が反体制をどう描いたか。井上雄彦氏はどうだ……。しかしオカマに対する配慮も良くなったし、4話以降、この作者の類い稀なる才能が、メッキサブカルから昇華し独自の境地に達する事を祈る。最後に、この3話はがんぼシリーズ史上最高作であると断言できる。
特上カバチ!! DVD-BOX
金融機関に勤めていると、こんなドラマみたいなこと、
実際に眼の間で起こるんですよねえ。
まあ、現実社会には浅野ゆう子や堀北真希はいませんが。
ストーリーが単調で予定調和だとか、演技がわざとらしいとか
このドラマを純正人間ドラマとして捉えればそういう批判になってしまうが
国税庁あたりのプロモーションビデオと考えれば
ものすごい質が高いものなのでは???
特上カバチ!!-カバチタレ!2-(30) (モーニング KC)
カバチタレ、特上カバチには、キャラクターの肉付け、掘り下げを行なっている例が、既に以前に複数存在している。漫画の中途において、サイドストーリーやサブストーリーの形をとって、キャラクター像を明らかにすることは、よく行なわれる。本著においては、見事だったのは、大野の過去についての話だ。カリスマ的でそれゆえもあり、謎めいた影の主人公とも言えるキャラクターが掘り下げられ、他のキャラクター(特に、検備沢弁護士など)との関係までを含めて、見事に糸でつなぎ合わせ、説得力のあるストーリーでその過去を描いた。今回の栄田についてのキャラクター描写は、主人公と大野を除けば、おそらく一番長い分量のサブストーリーだろう。栄田は、ずっと補助者でよい、というそもそも変わったキャラクターだ。知る限りでは、現実の行政書士事務所で、資格を取得するつもりもなしに、補助者としてずっとやってゆくつもりの補助者は、いない。通常は、補助者は、行政書士事務所で働きながら行政書士の資格に挑戦している。独立するかは別として、有資格者となることは目的にしているものだ。 今まで、栄田というキャラクターは、ともすれば、迷惑キャラ的な扱いを受け、あるいは、重森というもっとよく立つキャラクターの影に隠れてしまっていて、どうしてそんな奴なのか、の説明はよくなされてきてはいない。法律の寝技の点では、大野仕込を超えた独特の策をひねり出すし、しぶとい彼に、私は、しかし、ずっと興味を持っていた。今回のサブストーリーでは、初恋、片思い、恋愛、結婚、夫婦、そして幸せ、という要素を軸に、たくみに栄田という男の生き様を描いてゆく。子供時代からの苦労ぶり、それを跳ね返す栄田の強さ、そこで培ったあきらめないという生き方、生き様が、今の栄田を作ったことが描かれる。思うに、栄田の良さは、実は、純粋で、真っすぐな所にある。本当の初恋をし、その相手に振られ、そして、その後も長い年月がたった今でもなお忘れることのできない栄田の純情さ、一途さには、切ない思いをさせられる。その、好きな女の幸せを取り戻すべく、いったん壊れかけた亭主にカツをいれ、立ちなおらせ、夫婦としてこの先も、幸せに生きてゆけるための基盤までを掴ませる、という、涙無しでは読めない、ストーリー展開。「惚れた腫れたを超えたところで安田を大事に思っている」、という名台詞の後、一気に動く栄田は、何よりも、人間的で心が優しい人物だ、と感じた。本書を読んでいて、私は何箇所かで、涙がこみ上げ、そして流れるのを禁じえなかった。大野のときと同じく、しっかりと法律もからめており、見事にサブストーリーとして仕上げていると思う。法律職とは、本当は、人間的で人が困っているのを放置できない心根が優しい人間であってこそ、初めてそれをやる実質的な資格があるといえる仕事ではないか、との思いを強くした。浪花節といえばそれまでだが、似たような恋愛や片思い、恋愛、夫婦の危機の経験の有無、人間性に重要性な意義を見出しているか否かで、確かに、本作の評価は、変わるのかもしれない。