中国の壷 (白泉社文庫)
安積家に先祖代々伝わる「中国の壺」。
その中には、安積の子孫を見守る中国人・趙飛竜が住んでいた。
なぜそこにいるのか、なぜ安積家の者を見守るのか…。
口数が多くてやかましい、けれど憎めない趙飛竜と、川原さんらしいとぼけた、けれどしっかりものの主人公。
この2人に様々なキャラクたーが加わり、話は展開していく。
出会うこと、別れること…人の生き死にを含めた出会いと別れの切なさが強く感じられる作品です。
常に側にあること、別れねばならないこと…読み終えた後、胸がぎゅっとさせられます。
もちろん、川原さんらしいギャグと笑いは健在です!
また、ラストシーンの余韻が素晴らしく、私の中では一二を争うくらいラストの好きな作品です。
レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)
1冊の中で登場人物によって分けられる
4つのおおまかな枠組みがあります。
なので少しの時間でも1つのお話が読めてしまったりします。
ちょっと惹かれあっている人たちの物語。
ページあたりの字が多い漫画家さんですが
読後はなんともいえないほわっとした充足感にひたれます。
いつ読んでも川原先生のほわっはいいものです。
コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス)
40代の中間管理職です。若い方々のレビューばかりな中でこの年でレビューを書くのは勇気が要りますが、川原泉さんは、私が高校生の時にデビューされたので、大学時代くらいまでは殆どの作品を読んでました。卒業後はあまり漫画を読まなくなってしまったのですが、今回どういうわけかアマゾンのリコメンドに上がってきたので、皆様の感想を拝見し、面白そうなので買ってみました。絵柄は確かに変わっていますが、ほのぼのとした感じは変わってませんね。面白かったです。一番面白かったのは「グレシャムには罠がある」なのですが、
「部下のために弁当を用意し」
「部下の風邪を手厚く看病し」
「部下にかわって雑多な用事をテキパキこなし」
「部下のせいで使いっぱの如く奔走する」
「どっちが部下だかわかりません」
これは、かなりの中間管理職に当てはまるものと思います。部下の側から見ると、仕事しないで偉ぶってるとか思っているのかも知れませんが、部下が全力で職務に傾注できるよう、環境を整えるのも上司の重要な役目です。企業グループの総帥はどうかまでは知りませんが、上司になってみると、「上司ってこんなもんだったのか?どっちが部下だかわからない」と思いますよ。本当に。
ラスト、「山下君」が「いい表情になった」と指摘しているのは、「いい上司の顔になった」という風とれました。
それにしても、アマゾンの「お客様への本日のおすすめ商品」機能は凄いですね。「コメットさん」を見つけた日の以前も以後、川原泉作品が登場したことがありません。一瞬登場した時に目にとまったようです。「おすすめ商品をすべて見る」では、「XXを購入した人にお奨めしています」と理由が出るのでわかるのですが、ここ数年アマゾンで漫画を買ったことが無いのに何故に「コメットさん」が登場したのか、「お客様への本日のおすすめ商品」には理由が表示されないので今もって謎です。アマゾンのリコメンデーション機能には謎がある。。。そんな感じです。
9/14追記:本日「レナード現象・・・」がリコメンドの上位にあるのを見つけました。見てみると、増刷が出ていました。早速注文しました。その後1時間もすると、川原作品がリコメンドの上位に多数上がって来るようになりました。