FREEDOM
まだどことなくあどけなさが残る作品です。今ほど声に伸びはないですが、綺麗にしっかり唄っていて、個人的に大好きです。あなたのキスを数えましょうのバージョン違いやfairlylandも入っていて、ファンならコレクションしておきたい一枚でしょう。結構聴きやすいのので、小柳の初心者向きにもいいかも。
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
わたくし、米原さんの著作をほとんど読んでおりますが、
著者の死後(そんな日がなるだけ遠くなるのを願いますが)
必ずや3本の指にはいるであろう傑作だと思います。
米原本の魅力は、ご自身の体験を知的にもシモネタ的にも
実に面白がらせてくれる点ですが、この本は加えて、
実話でありながらハラハラドキドキさせてくれる小説的おもしろさと、
読後ホロリとさせられる寅さん的人情話風味があるのです。
実におもしろい本でした。
あと、「ヒトのオスは飼わないの?」(文春文庫)もオススメ。
ホロリ感もあるし、動物苦手なわたしがちょっとペットを飼ってみたく
なりました。動物好きな方にはとくにたまらないストーリーだと思いま
す。
世にも恐ろしいグリム童話 日本昔話 [DVD]
レンタルで借りて一目惚れした作品です。この全編に漂うアングラな雰囲気がたまらないですね(^ω^;)
当初は「流行に乗っただけの眉唾ものかなぁ〜」っなんて思っていたんですが、いやはや・・・これは面白い。
この作品の子供だましの怖さではない、絶望的なドス黒さときたらトラウマものですね(^∀^;)
中でも「灰かぶり」の独特の作画がとても印象的で、最後に灰かぶりが口を大きく開けて笑うシーンは夢に見ますよ(笑)
鬼灯の冷徹(5)限定版 (プレミアムKC)
「限定版」なるものを初めて買いました。おまけ?ってこんなもの、ですか?
できたら使ってもなくならないものを希望します。
クリアファイルとか(他ででていますが)ストラップフィギュアとか地獄地図とか。
一筆箋は絵柄を選んで普通に買いたいな〜と思います。
(使えばなくなるのですから、使えないじゃないですか〜)
日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)
最初に読んでから20年が経った。再び手にしてその衝撃を味わう。
山本七平はユダヤ人を引き合いに出して、日本人の本質である「人間」(つまり人情・ヒューマニズム)を基準とした社会について描いている。
なぜユダヤ人かと言えば、それは山本七平自身がキリスト教神学の研究者、また翻訳者であり
「唯一神」を絶対基準として見る社会と、「人間」を絶対基準として見る日本を比較しやすいからだ。
あえて自分をユダヤ人として演出したのは、日本人論の説諭には「外国人」の方が得策だったからだと思う。
山本七平の訴求点は、日本人の原典「人間教」に優れた点を見いだし、同時にその弱点である
自己無謬性(自分は間違わない)である。その対極にユダヤ人的な「神の律法」を基とした、「人間は元来間違う」という視点の優劣を置く。
日本人は政治的天才だと言い、その対極のユダヤ人は政治的低能であると言う。
朝廷と幕府の二院制度は歴史的な革命であり、恩田杢の人間的改革手腕を西洋社会は研究しろと言う。
同時に「人間教」の危うさについても言及する。
言外の言(言葉の外側にある言葉)、法外の法、例外をつくる天才である日本人の基準の曖昧さ。
西欧に入り込む真似はできるが、根本的に異なるプロセスで物事を見ているのだから注意せよと警鐘を鳴らしている。
日本人は決して無神論者ではない。森羅万象に神が宿ることをよしとし、先祖や神社を祀る。
だが、ユダヤ教的な「契約を交わす厳格な神」は拒絶する。
なぜなら、すでに「人間」(人情・ヒューマニズム)を絶対とする「日本教」を無意識のレベルにまで
すり込まれ、自身が信仰者とも思わない究極の信者になっているから。
2千年以上かけて作られた信仰だ。
これほど最強の「教え」は無い。
最初に読んだ当時、とても知的な興奮を得た。
20年経って読み直し、自覚してしまった。
読んでから気分が悪くなった。
明らかに自分は日本教信者である。
そして私の周囲には、日常であろうと、仕事であろうと沢山の信仰仲間で溢れかえっている。
このまま信者を続けるのか、抜け出すのか、その選択について真剣に考えたい。