バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架 (角川ホラー文庫)
このシリーズももう5冊目。
今回はホラーの代表「吸血鬼」がテーマです。
でも、平賀とロベルトは奇跡調査官なのでやっぱりその正体をあらゆる
知識を駆使して暴いちゃうんです。
結果、正体はとても現代的な吸血鬼なのですが
最後で「実は本物?」って思わせる所が存在を信じたい派にとって
失望を感じさせない。
バチカン要請じゃないせいか、いつもの刑事さんは出てきません
(ここもいい所。続けてタイミング良く出すぎだったので)
その代わりの教授?でしょうか…
また、ロベルトが調べていた古書稀少本も自分がたまたま「金枝篇」を読んでいたのでテーマが
重なり深く楽しめました(ケルト神話と屍者の王に繋がってると思う)
ただ、コンビ2人の間に微妙な距離を感じたのがちょっと気になりました。
行動もバラバラで今までとは雰囲気が違う気がします。
平賀がロベルトフォローなしに一人自立行動したからかな?
あとがきもない終了にちょっとびっくりしましたが、最後の最後に姿をくらました「あの人」が出てきます。
次巻ではまた対峙するのでしょうか。
コミック化するそうですが、絵はどうなんでしょう。
楽しみですがイメージを崩れない事を願います。
バチカン奇跡調査官 黒の学院 (角川ホラー文庫)
いわゆる犯人探しの推理小説としては★2つ。伝奇モノ好きには★3つ。美青年や美少年、神父好きには★4つ?
バチカンの奇跡調査官の青年神父二人組(ともに美青年、そしてある種のエキスパート)が「奇跡」調査をする。作品は主人公のロベルタ神父視点が中心で、時折第三者の視点に切り替わります。聖痕が現れる美少年のいる寄宿学校、処女受胎の尼僧、罪を象った、凄惨な殺人事件・・・。オカルト・伝奇設定好きにはたまらない設定。周辺知識のうんちくもたっぷりあるので、多少読むのをいとわなければわからなくなることはまずありません。最初の殺人事件を皮切りに、怪しい部屋、怪しい人間、次々と現れる「奇跡」そして立て続けの殺人事件。イベントも盛りだくさんで、中だるみがない分、やや詰め込みすぎでしょうか?ちょっと忙しない印象もありました。
「ダ・ヴィンチコード」「天使と悪魔」も読みましたが、この本はより日本的な、耽美的な、コミックス的なノベルというのが私の感想です。伝奇ものをライトに楽しみたい、謎解きの爽快感もちょっと味わいたい、という人におすすめです。キャラクターが立っている点もこの小説の読みやすさです。
同時に、設定とキャラクターが気に入らなければ、謎解きとしては「う〜ん…」レベルと思いました。本格ミステリーを期待されるとちょっと厳しい。特に真相。ネタバレは避けたいので、それも読んでからのお楽しみにしてくださいw
バチカン奇跡調査官ラプラスの悪魔 (角川ホラー文庫)
6冊目、表紙は誰?と思ったらビルだった。想像と違うぞ。FBIよりマフィアのボスの様だ
まあ、この格好も意味があります。
前回の吸血鬼もので失速感がありましたが、今回はオカルト、科学、陰謀、そして秘密結社と
てんこ盛りです。
前回で最後に意味深な登場をした因縁の「あの方」が出てきました。
陰謀説も今日本で飛び交っているものもありタイムリーな内容です。
アメリカデンバー空港のモニュメントの話は初耳だったので調べてみると確かにある!
ちょっと驚きました。飾ってある絵の事もちょっと不気味さ満点・・・隠す気ゼロなところが怖いですね
ビル刑事が何で毎回関わるのか?ちょっとタイミング良すぎるでしょう?という疑問もこの巻で解決。
最後に出てくるのですが、アメリカでは本当にありそうで怖い。Xファイルみたいなもんですね
真実を突き止めようとしてたのに逆に利用されているかも。という裏の裏まで筋書きが出来ている様な・・・
ビル刑事はこれからどうなるのかが気になってしまいました。