ブロードキャスト・トラックス 毎日放送(MBS)編
「アップダウンクイズ」「野生の王国」「世界まるごとHOWマッチ」「実写版鉄腕アトム」「MBSヤングタウン」「ありがとう浜村純です」のテーマ曲が音源化されると聞いて、胸躍らせて購入しました。
が、正直期待よりはガッカリと言わざるを得ません…
いや、確かに懐かしの番組のテーマ曲が一堂に会して、その筋のファンの期待には裏切らない選曲だとは思うんですよ。
しかし、まさか一部の音源を除いてアーカイブスから音源だけを引っ張ってきて収録するとは…
そういう意向のアルバムだったら、事前に告知してほしかったなぁ…
確かに番組の空気感を味わうという意図でテーマ曲中に入るタイトルコールのナレーションとかが入っているのは、まあOKなんですよ。ただ、その後に拍手が入ったりインタビューが入ったりしてるのはね…
ある意味その曲の素の状態の音源が目当てで購入を決めたために、さすがにそこはいただけないです。
あと、千里丘時代の放送開始時と放送終了時の曲(通称:ファンファーレ)が後者しか入っていないのは残念です。
どうせならインパクト絶大の放送開始時バージョンも収録してほしかった…
選曲は☆5つ、色々残念な面を加味すると☆2つ減点で☆3つというところで。
華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫)
これは山崎豊子氏の小説で、主人公が悪いほう(ピカレスク小説)の分類になる。(他には『白い巨塔』『女系家族』などがそれ)
主人公の万俵大介のエグさには、長編小説を付き合う読者としては辟易せざるをえない。ふつう悪党の小説を楽しむ時は、その悪党ぶりの痛快さを味わうのだが、本作で万俵が叩きのめす相手は、血を分けた長男なのである。これがまた、どこに父親の血を引いているのかと思うほどの正義漢で純粋だから、父親にやっつけられていく様は見ていて辛い。ストーリーはスピーディーに進むので読みやすいが、銀行の複雑な仕組みは素人にはやはり難しかった。
また、娘が一子、二子、三子と単純な名前で出てくるものの、二子ちゃん以外はあまり活躍の場がない。せっかく『華麗なる一族』ならば、女性陣にもがんばってほしかった。
とはいえ、本当に面白いので5つ★です。
華ヤカ哉、我ガ一族(通常版)
素直に面白いと思える作品です。音楽も世界観をよく表現できていてすばらしいです。スチルは残念なものもあり、ロードが長かったりシステムがめんどくさいと感じることがありましたが、話が面白く引き込まれるので最後まで飽きずに全員攻略できました。エンディングを見た後はしばらく幸せな気持ちに浸れました。個人的には大好きな作品です。
「不毛地帯」オリジナル・サウンドトラック
雄大にして繊細な音楽集です。
悠久の時の流れ、歴史の歩みの中では、ひとりひとりの人間の存在は砂粒のようなものに過ぎないが、歴史を作り、衝き動かすのもひとりひとりの人間。
歴史の中に人間が在るように、ひとりの人間の中にも、人間の数だけ歴史がある……
……ガラにもなくそんな事どもを考えさせられてしまいました。坂本龍一さんによるメインテーマM‐1『FUMOCHITAI』の生命力に満ちた拍動を受けて、菅野祐悟さんが力強く、船を漕ぎいだすように展開するM‐2『不毛地帯 ―生きて歴史の証人たれ』は圧巻。
重々しい曲だけではなく、M‐3『近畿商事』の躍動感や、ウィリアム・テル序曲を思い出させるM‐9『未知の世界』の鮮烈な出だしのホーンは、逆境でも希望を失わない人間の強靭さを謳い上げます。
唯一残念なのは、唐沢寿明さんが豪雪の収容所跡に背広姿で佇む印象的なEDで流れたトム・ウェイツ『Tom Traubert’s Blues』が、M‐16にフル収録されているのは嬉しいのですが、歌詞カードが無い…。毎週、話数を追うごとに物語とマッチしてきた名曲、やっぱり一緒に歌いたいじゃないですか(…歌うのかい!)。…この分だけ★ひとつ減、です。