火の鳥 4・鳳凰編
第4巻の舞台は、奈良時代の日本です。
奈良の大仏建立を軸に二人の彫刻師の人生が対比されてゆきます。
浄土真宗の開祖、親鸞聖人は「悪人正機」を著しました。
現在でもその解釈を巡ってしばしば論争の種になります。
極悪人、我王。彼は幸福な両親の下に生まれますが、事故で不幸を背負い込みました。
冷遇され続け、こころは捻じ曲げられ悪に染まってゆきます。
若き天才彫刻師、茜丸と偶然出会います。
二人の運命は交錯しながら、悟りと我欲を繰り返してゆきます。
『火の鳥』は仏教の輪廻転生が根底に流れているテーマですが、第4巻ではそれがはっきりと打ち出されます。
仏の説いた、色即是空の真の理解へと物語は進行してゆきます。
恐ろしいまでの奥行きを持った作品でした。
第3巻の『ヤマト編』を受け継ぐストーリーでもあります。
『火の鳥』は、読み終えてしばし陶然といたします。
本当に凄い漫画です。
火の鳥 (4) (角川文庫)
本作は、火の鳥シリーズの中で、さまざまな意味で最も好きな作品である。
主人公キャラはいわゆるお茶の水博士であるが、本作では著者の生命観をいかんなく発揮するための役回りである。
そして、本作の主役二人は、作品中で徹底的に苦悩する。
政治と芸術のあいだで自らの立ち位置が怪しくなり、また自らの欲に飲み込まれそうになったりする。
著者はアーティストであるので、最終的には芸術より政治を、自らの立場を守ろうとした方に、より辛い結末が訪れることになる、という主張が明確に描かれている。
隻腕の主人公は最終的に両腕を失うことになるのだが、彼の芸術への強い情熱と対比するような静かな、実に静かなエンディングがまた、とても余韻の残るものとなっている。
若干の宗教臭さはあるものの、本作は、マンガで描かれた哲学である。
そしてマンガとしての完成度もまた、「復活編」と並んでシリーズ中のベストであろう。
個人的に最も好きなところは、彼が「生きとし生けるものすべてが、死んだら仏になる」ということに思い至る場面である。
そう、最近では生物多様性という言葉があるが、命を持つのは人だけではない。
その重さはみんな平等だ、という著者の主張には、大変重いものがある。
このあたり、多分同時期に執筆されていたはずの「ブッダ」の影響もあるかもしれない。
生命をテーマにした本シリーズであるが、本作はそれが最もストレートに作品世界に描かれたものだといえるだろう。
そして、本作あたりを境にして、本シリーズのテーマが“永遠の命”から、“命とは何か”、すなわち“生きることの意味”を問うものへと、徐々に変わっていったのである。
それもまた、「ブッダ」の影響というか、その掲載誌の影響だったのかもしれない。
火の鳥 我王の冒険
【発端】火の鳥の彫刻が盗まれた!それを取り戻すべく、一人旅に出た我王。彼は全てのパーツを手に入れ、火の鳥をよみがえらせることが出来るのか?
ゲームのジャンルは、アクションゲームです。
基本操作
“鬼瓦”:(操作:↓+Bキー同時押しで出せます、敵一体倒すごとに一つもらえます)を用いて高い地形を登ります。ステージのあちこちが、がけということもあり、必ず必要になる動作です
“のみ”:(彫刻を削る道具)を用いて邪魔をする敵を攻撃しながら進んでいきます。前方や上方向に攻撃が可能ですw
意外に忘れやすいアクションですが、“足場崩し”:↓+Aキー連打で足場を掘ることもできます。一部ワープゾーンが隠れているところもありますし、ブロックに埋まっている一部のアイテム袋をとる際にも必要になるアクションです。
全部で16ステージあり、各ステージにはボスが待ち構えています。ボスを倒すことで火の鳥のパーツが手に入るので、彼らを倒し16種類のパーツを集めること目的となります。
ステージによってはワープゾーンがあり、それを使うことで、時代を行き来することが出来ます。(使わなければ、同じ時代のステージを永久ループ)接触ダメージは、5回まで耐えてくれる上、道中で拾える回復アイテムも性能がいいので、操作に慣れてくれば落下以外では死ににくくなります。
ゲームクリア後、再スタート(2周目プレイ)するときの違いは、敵の動きが少し早くなることくらいですね^^;
余談:小学生の頃、よく遊んでいたソフトでした。最近、またファミコンソフトを遊んでみたいなと思い、購入しました。多くのソフトが、発売日から15〜20年程経過しているにもかかわらず、正常に起動したのには驚きましたが、嬉しかったです。今でも楽しく遊んでいますよ!
火の鳥 3・ヤマト編、宇宙編
圧倒的なスケールと想像力の大波を被ったような思いがしています。
『火の鳥』の凄さは何度読み直しても、同じような感動が押し寄せてくることです。
第3巻は、『ヤマト編』と『宇宙編』が納められています。
日本の古代史で描く『ヤマト編』は、第1巻の『黎明編』と繋がります。
飛鳥の石舞台古墳から、大和朝廷による熊襲征伐に物語が進んでゆきます。
井上靖氏の『敦煌』を思わせる、遺跡から古代を臨む巨編です。
この物語が終わったかと思うと話は26世紀の未来に飛びます。
5人の宇宙船乗組員の一人が死亡するという事件がおきます。
芥川龍之介の『藪の中』のように一人ひとりの証言によって奇怪な真相が浮かび上がってゆきます。
そして不時着した恒星に、彼らを待つ人がいました。
二つの物語には、二つのタイプの恋が登場します。
恋・・・それこそが生命を燃やす最大の動機なのかもしれません。
生命と恋の巨編です。