アメリカ在住の映画評論家・町山智浩さんによる映画解説や、アメリカの社会背景についての動画をアップロードしていきます。
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「兵隊やくざ」シリーズは反軍隊映画の傑作ですが、特に第四作『脱獄』と第八作『強奪』はスキのない作品です。 画面も緊張感に満ちていて目が離せません。『強奪』の撮影は名手・森田富士郎で背景の切り取り方や照明のとらえ方など素晴らしい職人わざを見せてくれます。冒頭の木につるされた兵士の死体の映像から森田美学が炸裂する。 『強奪』は戦争が終わったのに戦いつづけようとする関東軍(須賀不二男など)、中国人民解放軍の軍資金を「強奪」する悪徳・日本人兵士たち(夏八木勲や江守徹など)など、中国人以上の敵に取り囲まれながら、なんとか日本に帰ろうとする大宮(カツシン)と有田(田村高廣)は捨てられた赤ん坊を拾ってしまいます。自分の命も守り切れそうもない状況でいったい、どう生き抜いていったらいいのか、途方もない展開は「仁義なき戦い」の様相を呈して二転三転。結局、義侠心が道を開くというカツシンらしい「熱い」物語で終わります。田中徳三監督は「僕が撮った最後は、68年の『兵隊やくざ 強奪』ですか。このへんはね、民間人になってる大宮とか、やっぱり魅力がなくて、話自体がつまらなくなってますね」と回顧していますが、なんのなんの、無理やり面白くしようとした工夫が露骨で傑作になってしまっていました。 もっともっと高く評価されてよい作品です。 兵隊やくざ DVD-BOX 下巻 関連情報
久しぶりにとても面白い小説を読みました。 兵隊小説ですが、オススメですよ。買いです。 兵隊やくざ 関連情報
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