新井晴み ランキング!

新井晴み 百円の恋 特別限定版 [DVD]

 宮崎あおい蒼井優上戸彩とか1980年代半ば生まれの日本の映画女優を第1世代と呼ぶらしいです。ちなみに第2世代は、堀北真希新垣結衣戸田恵梨香、その次が、剛力綾芽、桜庭ななみ、橋本愛、能年玲奈、二階堂ふみあたりらしいです。その第1世代中で、最も演技派と思うのが安藤サクラです。 前作「0.5ミリ」の演技ににも唸らされたけれど、いやはや、本作はカッコイイを突き抜けて神懸っていますよ。 それで、本作は女性ボクサーの話です。というと「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンクを思い出しますが、勝るとも劣らない演技ぶり。あの映画のヒラリーは、あくまで自らのハングリー精神に満ちて、ボクサーを目指すというオーソドックスな動機付けだったけれど、本作では、ボクサー志望の彼氏(新井浩文)と出会い、彼と同棲までして、それで、彼と別れ、ボクサーを辞めた彼に代わり、ボクサーを目指すというこれまでにないパターン。 何ゆえにではなく、彼の魂・精神を体現(?)すべく、ボクサーになろうとする。この展開は凄いです。 また、一子や狩野をはじめ、一子が働くこととなる百円ショップの店員たちや、根岸季衣演じる期限切れの弁当目当ての怪しいオバサン等、明日に希望を見出せず、その日その日を流されて生きている“負け組”の人々ばかりだ。これが今の日本のリアルなのだろう。だから本作には現状に対する批判精神も感じます。  前半の安藤サクラ演じる一子のすべてに イラつく。だらしない服、だらしなくぜい肉はみ出す肉体、髪もぼさぼさ、働かず、受け答えもボソボソ話す....。 そして、そこから、ホントにかっこいいところまで持っていけるってのが凄い。予算の都合や日程の都合で2週間で体を絞らなきゃならなかったそうですが、後半のボクサーを目指す一子は、顔つきも変わり、体も身のこなしも目に見えてシャープに。みごとにボクサーだったし、シャドウボクシングはダンスみたいで綺麗、本当にきれいだった。 戦闘モードの試合シーンのリアル感が、また、トンデモナイです。まず、髪を切り、試合に向かう姿には身震いしました。そこからの本気度が凄すぎ。相手の強打を浴びるが、何度も立ち上がり食い下がる。事前の打ち合わせ等、色々あったでしょうが、本当にパンチを食らっている感じ。痛いし、ヒリヒリするシーンが続きます。 一子は「自分なんて百円程度の価値」と自虐的な言葉をは吐くが、『たかが百円、されど百円』、どんな人間でも存在の価値はあるという優しさと、どん底からの再生にも痛みは伴う厳しさ。それが見事にブレンドされ、勇気を与えてくれる。 ストリー的には、いつの間にか、前半と後半では一子と狩野の立ち位置が逆転していて、狩野の方が、一子に見とれている立場に変わります。 そして、試合後の展開は、一子と狩野との再会。ここに来てやっとホッとするシーンが待ってます。前途は多難というか、たかが知れているでしょうが....(苦笑)。 武正晴監督の前作「イン・ザ・ヒーロー」ではそれほど感じませんでしたが、本作では、ブルースを基調にハーモニカ・ギター・口笛など、音楽・音の使い方もカッコイイ。エンディングに本作の名(?)シーンのフラッシュバックとともに流れる、本作のために書き下ろされたというクリープハイプの、主題歌もカッコいい。 百円の恋 特別限定版 [DVD] 関連情報

新井晴み 24時

 コンパクトなアルバム作りを身上としていた彼らが一転して作り上げた、全82分19秒に及ぶ超大作にして最大の意欲作。曽我部君の最も溌剌とした歌唱が聞けるアルバムでもある。

 前半はとにかく力強い楽曲がずらりと並ぶ名曲揃い。オープニングにはもってこいの力強いフックを持ったメロディが光る名曲1を筆頭に、憂いを持った美しいメロディが光る2、このアルバム中最も軽快なナンバー3、いかにも70年代風な4、このアルバムを代表する楽曲でカントリー風の6など素晴らしい流れ。一転して後半は徐々に内省的なナンバーが並ぶ。10は恐らくサニーデイの楽曲の中では最もフリーキー且つアヴァンギャルドな楽曲。こうした冒険的なものも収録されているあたり、これまでの自分達から脱却しようという意志が見え隠れする。

 恐らくコンセプト・アルバム的な路線を狙ったのだろう。結果としてはかなり上出来なのだが、ちょっと気になる部分もある。ジャックスの「冷たい空から500マイル」をあからさまにパクった14などはどうしても元ネタが強力な為か、ちぐはぐな印象があるし、前曲13もやや曖昧な雰囲気に流され気味であり、蛇足だったと思う。素晴らしかったのは、わざわざボーナスCDにまでして収録した「ベイビー・カム・ヒア組曲」。15のメロディラインのリフレインから幻惑的なストリングスが流れ始め、ゆったりとしたフォーク・ソングへと雪崩れ込むこの楽曲は正に白眉。超大作であるこのアルバムの締めにふさわしい名曲だと思う。もう少しアルバムの後半が充実していれば、間違いなく彼らの最高作に仕上がっていただろう。これを最高作に推す人がいるのもうなずける、彼ら最大の冒険作である。
  24時 関連情報

新井晴み PCP -完全犯罪党- (JUMP j BOOKS)

成長した案之城舞の回想という形での導入が入りやすく、サクサク読めます。ほぼ一晩で読み終わりました。人によっては、謎解きの部分など、ちょっと物足らないかもしれませんが、私は面白く読みました。ライトノベルの「王道」です。 PCP -完全犯罪党- (JUMP j BOOKS) 関連情報

新井晴み December

George Winstonと言えば『Autumn』だと思ってたし、その考えは『Summer』や『Winter into Spring』聴いても変わらなかった。 実に10年近くかかって、ようやく四部作最後の一枚、『December』に手を出した。ようやく、順位が変動に至る。 私の勝手なイメージだけど、George Winstonのピアノは冷たい。 そして、いつも木は葉っぱを落としていて、空はめちゃくちゃに高く、晴れ渡っている。たぶん、これは昔から見てきた『Autumn』のジャケットのイメージなんだろう。 だけど、そのイメージにはやっぱり間違いがないと思う。彼には寒い季節のイメージが非常によくあっている。 もともと、ピアノのインストゥルメンタルといえばGeorge Winstonしか聴かなかったので、「ピアノ=冷たい楽器」というイメージすらあった。 だけども、西村由紀子やRichard Claydermanに冷たい音というイメージを持つ人はそうそういないんじゃないかと思う。 それだけに、Winstonの奏でる音は極めて特殊なんじゃないかと思うのだ。 この『December』。特に『Night』三部作、とても屋内のスタジオで演奏されている楽曲とは思えない。 そこにあるのは、紛れもない冬の夜。息は白く、よく晴れて。イメージの中で、私は冷たい空気を吸い込む。 凍える世界に、怖いくらい美しい音色が深々と響いて、藍色の闇のなかに吸い込まれていく。 これが、『December』の、George Winstonの世界。 December 関連情報

新井晴み 百円の恋 [DVD]

安藤サクラの体当たり演技への賞賛に、異論をはさむ気など無いのだが、本作を「俳優○○が、この映画で○キロ減量!」的なコピーのみで語りきるのは、陳腐だ。ラスト、主人公一子が泣きながら絞り出すセリフ…それこそが本編のテーマと言って差し支えない。私が唸ったのは、キャスティングの妙である。一般の素人にしか見えない母役稲川実代子、人は良さそうだが頼りない父役伊藤洋三郎、元ヤンキー風妹役早織等々。だがこれらを押しのけて出色だったのが、バイト先のウザイ中年先輩役の坂田聡。いるわ~こういう人(笑)!また、演出も非常に繊細で、例えば新井浩文演ずるボクサー狩野が、練習中一服するシーンをはさむだけで、「ああ、こいつダメだな」ってのが分かるし、豆腐屋の女の太ももと狩野が、1カット入ることで、「そういう仲になるんだな」って最小限の説明になっている。更に本筋とは関係なく、狩野が一子の練習に見入っている最中に、屋台が盗まれるなど、要所で遊び心のあるシーンを探すのも、楽しい。作品に必ずしもメッセージ性を見出す必要はないと思うのだが、あえて語るならこうだ。“痛みや苦しさのない世界で分かったようなことを言ってる暇があるなら「ここだと思う、自分のリングに立ってみな!」あいにく才能は味方してくれないことが多いが、それでもリングに立ってから見る朝日は少し違って見えるんじゃないか?自分を観る人の目も違ってんじゃないか?”リングを見つめる妹の眼差し…それがその答えなんじゃあなかろうか? 百円の恋 [DVD] 関連情報



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