ペルソナ4　南絵里コミュ南えり

行殺・新選組ふれっしゅ

　ギャグなのかシリアスなのか判断に困るストーリー展開。異様な難度と種類の豊富さを誇る押し借りクイズ。そのうえ、この内容にしてなぜか妙に新撰組の史実には忠実であったりするから始末に負えない。思うに愛すべきバカゲーと唾棄すべきクソゲーを分かつのは、このあたりの無駄な趣向の凝らし具合なのだろう。そうそう、主題歌『みつめて新撰組』は藝術のなんたるかを極めた出来映えなので、ぜひとも繰り返し繰り返し聴いて脳を蕩けさせると良いのである。　行殺・新選組ふれっしゅ関連情報

ダグラス・サーク傑作選南の誘惑 [DVD]

　スウェーデン人のアストレー（ツァラー・レアンダー）はプエルトリコ旅行中土地の音楽や風習に夢中になった。　闘牛の名手で男らしい地元の名士、ドン・ペドロ（フェルディナンド・マリアン）と恋に落ち、帰路の船から逐電してそのまま島に残って結婚してしまう。　10年後、プエルトリコで発生する熱病研究チームのスウェーデン医師ナーゲル博士（カール・マルテル）は、かつてアストレーに片想いを抱いており、彼女の叔母の依頼で現状も確認してくる事になった。　島内では絶対権力を握っていたドン・ペドロはアストレーを愛しながら封建的かつ嫉妬深く、彼女は不幸な身の上となり、唯一、息子に故郷の様子を話し、歌って見せる時だけ心が休まるのであった。　折しも島内では熱病が流行の兆しを見せるが、島の産業へ与える打撃を恐れたドン・ペドロは箝口令を引き、地元医師にはスウェーデン医師団への協力を禁じるが…。　デトレフ・ジールク(後のダグラス・サーク)が、ドイツ有数の脚本家ゲルハルト・メンツェルの脚本、ロタール・ブリューネの音楽、フランツ・ヴィルマンの撮影、そしてUFAが強力に売り出し、ジールク監督の前作「世界の涯」で一躍スターとなった歌姫、レアンダーを主役に撮ったメロドラマです。　　演劇界から転向して僅か数年で映画の「ゴールデンタッチ」を掴んだジールクがお気に入りのスタッフの協力を得て、音楽とドラマが融合した新しい「メロドラマ」のスタイルを徐々に作り上げた連作の一つ。　脚本上も表現は現在の目で観ると控え目ながら、監督お気に入りのアイロニーに満ちた内容です。　若気の至りで間違った判断をしてしまう女性、その妻を愛し策を弄しながら最後はその為に自滅する男、そして、一件落着の様で果たしてヒロインは幸福になれるのか、と言う疑問符が観客の頭に観賞後浮かぶ様に為っております。　特に閉ざされた環境で異常に親密な母子の様子は非常に危うい印象を観る物に与えます。　本業歌手であるレアンダーがとても深みのあるアルトで歌う「ハバネラ（Der Wind hat mir ein Lied erzählt）」は人気曲となり、レアンダーのスタンダードとなりました。　劇中、同じくハバネラを取り込んだビゼーのカルメンも流れますが、アストレーが息子の為に歌う童謡2曲（「A-B-C…子供の歌」、「あなたは知ることができない」）は才人ジールクの作詞との事。　「Ａ-B-C…子供の歌」の作曲は、レアンダーの信頼高い、ドイツのキャバレーソングの名作曲家、ラルフ・ベナツキーです。　妙に魅力的な暴君、ドン・ペドロを演じるマリアンは若き頃のフェルナンド・レイに似た渋いハンサムですが、本作後、悪名高いナチの反ユダヤ人プロバガンダ映画「ユダヤ人ジュース」にタイトルロールのヨーゼフ・ジュース＝オッペンハイマー役で主演。　大戦は生き延びますが、戦後直ぐ交通事故で亡くなってしまいます。　本作のロケ地はスペインのカナリア諸島で、ジールクはまだ生々しい内乱の傷跡にショックを受けます。　本作撮影終了後、ユダヤ系の妻を持つジールクは本作撮影のために発行されたパスポートを利用しナチス政権下のドイツから亡命する事となるのです…。ダグラス・サーク傑作選南の誘惑 [DVD] 関連情報