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吉田恭教 可視(み)える (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)

この作者のものとしては異色のミステリー、ただ、映画化すると強烈なスプラッターになりそうな作品。死体の描写があまりに生々しく、最初の数十ページを読むのに4日も要してしまった。いざ、腹を決めて読み進めると作者持ち味と見える軽快な文章で驚くほどテンポ早く読み進んでしまった。過去の傷を持つ元刑事の探偵と、性同一障害の女性刑事が活躍、殺人事件と不気味な幽霊画の二つの事件が絡まっていく。映画化、それもできるだけスプラッター的要素を多く取り入れていけばヒットするのではないか・・もし、そういう映画ができても・・怖がりのワタシは観に行けないかもしれないが・・本文中、死体描写は数あれど、実際の殺害場面は一か所だけなので、読み進める上では心臓の悪い人でもさほど心配する必要はないかも・・しかし、怖かった・・怖かったということは作者の意図は成功しているということだ。作者、島根県の人なのに、山陰本線の列車を「電車」と記すのは都会の人へのサービスかもしれないが、ここは作品にリアルさを持たせる意味で「ディーゼルカー」と記したほうが・・山陰地域のあの風情をよみがえらせ、紫煙の香りが漂ってきそうな雰囲気になるかもと・・電車では無機質な感覚しかない・・と、これは鉄道ファンとしての余談。 可視(み)える (本格ミステリー・ワールド・スペシャル) 関連情報



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