Lifetime
ジミ・ヘン、レッド・ツェッペリン、エアロスミス…など、往年のロック・ミュージシャンから多大な影響を受け、そのエッセンスをちりばめたアルバム作りをしているのがグレイプバインだ。オーソドックスなハードロックを、抜けの良い荒ぶるサウンドで豪快に聴かせてくれる。メンバーの技量も高いがこのバンドは「テクニックひけらかし」の方向には走らず、ひとつのバンドとしてのバンドサウンドを全面に打ち出そうとする意識がアレンジからも伝わり、大変好感が持てる。全体的にミドルテンポの楽曲が多く、ハデなギターの音が全体を引っ張るが、アコースティック・ギターをVoのバックでかすかに鳴らすなど、曲構成のアイディアも豊富に持ち合わせている。甘い声と“巻き舌”で歌うVoは、エアロスミスのスティーブン・タイラーを彷彿させ女性ファンを多く掴んでいるが、声帯の細さは否めず、聴いていて若干ツラくなる場面があるのは事実。またギターはテクニック、アイディアとも申し分ないが、音の表情にやや乏しく、その結果アルバムを通して聴いた場合サウンドが妙に平べったく感じられてしまうのが残念だ。ただしこれだけバリエーションあるアレンジを全て自前でやっているという事からわかる通り、70年代のロックをメンバー全員が咀嚼し表現出来る、現在の日本において非常に稀な存在の若いロックグループであり、レコード会社や所属事務所がプロデュースの方策を早く確立してあげて何とか大輪の花を咲かせてもらいたい“原石のようなバンド”である。
ecole de romantisme
本人が90年代を意識したと言っていた(と記憶してますが…)だけあって、ちょっと懐かしさもあり。
1曲目で感じたのは、椿屋からの脱皮。
堅いさなぎを抜け出したばかりの、やわらかくて、どんな色にでもなれそうな。
椿屋を解散することがあったらこの人はどうなってしまうんだろうと心配したこともありましたが。
やってくれたなという感じです。
それでいての相変わらずの中田節。腰にきます(笑)
酔わせていただきました。
気負わない、大人で洒落た1stに安心と煌めく散りばめられた驚き。
2ndも楽しみです。
Talkin’Cheap
FIVEは一つ一つ丁寧に作り上げられていた感じがするけれど、Talkin'Cheapはイイ意味でユルイ感じがする。心地の良いチープさが日常にマッチするので、いつでも聴けるアルバムだと思う。
夢の百姓―「正しい野菜づくり」で大儲けした男
書名からお金のにおいがするので、何か特別な
大儲けの方法があるのかと期待したら当てがハズレます。
本書を読んで一番に感じるのは、著者の熱意、意欲の凄さです。
常に希望があり、その為に徹底的に行動し、固定観念や因習に囚われず
試行錯誤を繰り返し、失うリスクも自信で跳ね返す。
著者は農業以外の分野であっても軌道に乗せられたでしょう。
本書には写真も複数載せてあり、土づくりなどで鍛えられただろう
がっしりとした、体格の良い著者が見られます。